海外情勢

習氏、20カ国首脳と会談 貿易停滞回避へ積極外交展開

 肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染が世界に広がり、各国が中国との往来を制限する中、習近平指導部が頻繁に各国首脳らと電話会談するなど外交活動を活発化させている。国際社会での孤立を回避し、貿易の停滞による経済への打撃を抑える狙いだ。

 「感染を阻止する闘いに打ち勝つ自信と能力がある。経済発展も合わせて計画し、感染の影響を最小限にする」。習国家主席は2月27日、モンゴルの大統領と北京市で会談し、こう強調した。習氏は1月20日に新型肺炎の制圧を指示後、電話会談も含め約20カ国の首脳に中国の取り組みへの理解を求めている。

 王毅国務委員兼外相も30カ国以上の外相らと電話会談などを重ねている。2月20日にはラオスで開いた中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)による新型肺炎をめぐる特別外相会議に出席。「日ごとに感染者の数が減っている」と強調し、事態の長期化に対する各国の懸念払拭を図った。

 だが中国政府によると、世界では中国からの渡航者に何らかの制限を導入した国が130を超えた。米国、オーストラリアなどだけでなく、対中関係が良好なロシアも、労働や就学、観光目的の中国人の入国を禁じた。

 中国が懸念するのは経済、貿易への影響だ。商務省幹部は、新型肺炎により「国際物流の停滞や中国に対する貿易障壁の増加といった問題に直面している」と指摘。中国政府は世界貿易機関(WTO)の加盟各国に「不必要な(対中)規制措置はなるべく早く解除する」よう呼び掛けている。

 各国から中国への投資も「見合わせる雰囲気が強まっている」(商務省幹部)。習氏は同23日の会議で「外国のビジネスマンが長く投資、経営できるようにすべきだ」と指示。外資の中国進出を促す考えだ。商務省幹部もこの翌日の記者会見で「対外開放を進める」と表明した。

 ただ国内では新型肺炎の拡大で企業の操業再開は足踏みが続く。特に中小企業の再開率は3割程度にとどまっている。1~3月期の経済成長率は記録的な落ち込みが必至だ。内政面でも習指導部は、重要会議である全国人民代表大会(全人代)の延期という異例の対応に追い込まれた。

 中国の政治学者は「対策に自信満々だった中国が新型肺炎を全然抑え込めていないと他国は気が付く」と指摘。世界で死者、感染者が増えており「中国を見る目は厳しくなる」と分析した。(北京 共同)

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