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宅男宅女に無接触…中国「疫病後」に訪れる商機とは

 新型コロナウイルス戦争はまだまだ終わりが見えないが、被害が突出している中国では、既に「疫病後」を見ているからたくましい。在宅を強いられた人々がインターネットなどで注目しているのは「疫病後に訪れる商機」である。(ノンフィクション作家・青樹明子)

 新型コロナウイルスのもたらす変化は、中国人社会のあらゆる側面で見て取れる。そうしたなか、中国人が見据える「疫病後の商機」とは何だろう。いくつかのキーワードから見てみたい。

 まずは「宅」。宅とは「宅男宅女」、つまり「オタク」である。中国のオタクは、段階を追ってその度合いが増していく。「Wi-Fi+ベッド」は普通のオタク、一つ上がると「+スナック菓子」で、上級編は「+ペット」、プラチナ級は「+食事宅配・カウチでホームシアター」なのだそうだ。

 若年層を中心に形成されてきた宅男宅女は、これまでも中国経済を後押ししてきたが、新型コロナの蔓延(まんえん)によって、年齢層の高い宅男宅女を生んでいる。

 外出自粛のなかでネット通販が急増したが、なかでも顕著な伸びを示したのが、生鮮食品のネット通販である。

 新鮮な野菜や魚、肉類をネットで買っていたのは主に1990年代生まれが中心だった。しかし疫病以降は50年代、60年代生まれにも浸透し始めた。市場で購入していた層が、ネットで野菜や肉を買うようになったのである。生鮮食品のネット通販は、新型コロナがもたらした、新たな商機である。

 次のキーワードは「無接触」か。AI(人工知能)、5G(次世代通信規格)、IoT(モノのインターネット)など、中国は他国に先駆けて発展している。自動販売機(地下鉄の自販機ではカップ麺も普通に売られる)、無人コンビニ、オフィスビルでの無人購買部の3本柱で進んできたが、これからは、無人というより無接触に重点を置く。高度なIT技術が、今後どのような小売り形態を実現させていくか、多くの「商売人」たちが、今熱い視線を送っている。

 疫病後発展が見込める事業として、他には「美容関係」や「ペット関連」「健康産業」(アリババの創業者、ジャック・マー氏の一押しでもある)、「結婚披露宴をはじめとして各種宴会」などが挙がっている。疫病が収まれば、長い間我慢していたヘアカットやパーマ・カラーなどへ客がなだれ込み、結婚披露宴を延期せざるを得なかった新婚カップルが宴を催し、そしてペットがいかに外出自粛の日々を慰めてくれるかを実感し、病気にならないよう、免疫力を高めるよう健康に留意する。

 疫病後のビジネスチャンス。これらの推測が当たっているか否かは別として、こうした状況でも未来のお金もうけに注目する前向きな思考は、われわれも見習っていいのではないだろうか。

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