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新型コロナ直撃、技能実習生不在に地方苦悩 入国規制で人手不足 (1/2ページ)

 新型コロナウイルスによる感染症の拡大を受けた入国規制などにより、中国人技能実習生が来日できない事態が相次いでいる。実習生が労働力として支える地方の製造業や農業、水産業で人手不足が深刻化。農林水産省によると、受け入れのめどが立たなくなった、中国人を含む外国人実習生は農業分野で約1000人に上る。影響はさらに広がりそうだ。

 大きな戦力ダウン

 「中小企業にとっては数人でも大きな戦力ダウンだ」。繊維産業が盛んな福井県で、衣料品向け生地を生産する繊維メーカーの男性担当者は頭を抱える。同社には中国からの実習生約20人が勤務。1月末の春節(旧正月)に一時帰国した1人が戻ってこられず、春に採用予定の5人も入国延期となった。担当者は「ベトナム人実習生の採用も検討するが実現するのは年末。人繰りが悩ましい」と話す。

 福井労働局によると、昨年10月末時点で働いていた県内の中国人実習生は1440人。勤務先の多くが繊維メーカーとみられ、地元の業界団体には相談が相次いでいる。

 縫製工場で多くの実習生が働く岐阜県でも懸念が広がる。アパレルメーカーのスキル・トラスト・ラボ(岐阜市)は7月、新たに3人の中国人実習生を採用する予定だった。宮本修二社長は「早く終息してほしい。続くと地方の零細企業は耐えられない」と嘆く。

 県既製服縫製工業組合によると、岐阜市内のある縫製工場で働く中国人実習生1人が再入国できなくなった。全従業員は10人に満たず、1人欠けただけでも製造に影響が出るという。

 危機感は農林水産業でも強まる。ホタテの貝柱を扱う北海道枝幸町の水産加工会社は、5月ごろ受け入れ予定だった実習生の来日のめどが立たない。男性経営者は「水揚げしても人手不足では出荷が滞る」と気をもむ。

 全国屈指の水揚げ漁港がある静岡県焼津市内の水産加工会社でも同様の事態が起こっており業界団体の担当者は「いつまで待てばいいのか」と嘆く。

 全国農業協同組合中央会(JA全中)の2月下旬の調査では群馬県など9道県で中国人実習生計約360人の来日見通しが立っていない。感染を心配し来日を拒否したカンボジア人やベトナム人実習生もいるという。

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