海外情勢

新型コロナで親中カンボジア経済に変調 生産に支障、観光も不振

 中国との良好な関係をてこに成長が続いてきたカンボジア経済が変調を来しつつある。新型コロナウイルス感染拡大の影響で中国からの原料輸入が滞り生産現場に支障が出始めたほか、中国企業による開発に沸いた南部シアヌークビルではバブルがはじけ地価が下落。フン・セン政権は対応を迫られている。

 労働省は2月末、中国からの原料供給停止を受け工場10カ所が操業を止めたと発表。3月中には200カ所に拡大し、16万人の雇用に影響が出る恐れがあるとした。

 主要産業の縫製業では原材料の6割が中国からの輸入とされる。フン・セン首相は9日「中国側が原料を積んだ船7隻を出航させた」と述べたが、状況が好転するかどうかは見通せない。

 観光業の不振も目立つ。北西部の世界遺産、アンコールワット遺跡群を今年1~2月に訪れた外国人旅行者は約34万人で、前年同期比で約4割減。中国人客の激減が原因とみられる。「政府機関は今年の支出を最大50%削減しなければならない」。フン・セン氏はこう指示し、景気減速への危機感をあらわにした。

 一方、シアヌークビルのバブル崩壊は政府のオンラインギャンブル規制が原因だ。中国系オンラインカジノが乱立していたが、今年から営業を全面禁止に。地元メディアによると、昨年8月の規制方針発表後、年末までに約20万人の中国人がカンボジアを出国した。

 地価は1~3割下落、一部住宅の賃料は4分の1になった。規制の背景には自国の風紀への影響を懸念した中国側の要請があったとされるが、地元住民は「治安は改善したとはいえ、経済への副作用は甚大だ」と話した。(プノンペン 共同)

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