海外情勢

大統領選は「新型コロナの選挙」に、100年前にもウイルスと重なったケース (2/2ページ)

 米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)は2月28日、「2020年はコロナウイルスの選挙となりえる。米国の準備は整っているか」と警鐘を鳴らす記事を掲載。50州のうち45州が緊急事態に合わせた選挙日の延期などの規定を設けているものの、一貫性がなく、全米レベルで早期に対応策を協議する必要があると訴えた。同紙によれば、民主党本部は、7月に中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーで開催される党全国大会でのコロナウイルス対策について、連邦政府の保健当局と協議しているという。

 選挙と、ウイルス蔓延(まんえん)が重なったケースは過去にもある。世界で約5憶人が感染したとされる約100年前のインフルエンザ「スペインかぜ」だ。第一次大戦中の1918~19年に米国でも50万人以上の死者が出て、18年に行われた中間選挙では、選挙集会が開催中止に追い込まれた。

 地震やハリケーンなどと異なり、ウイルスの感染拡大を抑えるためには一定の準備期間が必要で、政府の対策いかんで結果に差異が生じるとされる。そのため、コロナウイルス問題は大統領選の争点に浮上しつつあり、民主党候補はトランプ政権の対応が不十分だと厳しく非難している。中道穏健派のバイデン前副大統領(77)は、トランプ氏が疾病管理予防センター(CDC)の予算を削減したことを非難し、「私ならCDCの予算を復活させる」と強調。また、急進左派のサンダース上院議員(78)は、トランプ氏がコロナウイルス対策ではなく、選挙集会を開いて民主党の候補選びを邪魔することに注力していると主張。持論である国民皆保険の導入の必要性を改めて訴え、感染が広がる場合にも「すべての国民が医者にかかることができる」としている。

 一方、トランプ氏は感染拡大の懸念について「米国民への危険は極めて低い」と繰り返す。7日には南部ジョージア州のCDC本部を視察し、「われわれはあらゆることに対して十分に準備ができている」と述べ、対策は万全を期していると強調。感染リスクが高まる選挙関連の集会についても、「私も、支持者も気にはしていない」と述べて中止の意向はないとした。ただ、株価は連日下落しており、トランプ氏の強気な姿勢が、再選に向けた政治的ダメージとなる可能性も指摘されている。

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