海外情勢

中国人民銀、市場予測に反して利下げを見送り

 中国人民銀行(中央銀行)は20日、事実上の政策金利である「ローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)」の1年物を4・05%のままで据え置くと発表した。新型コロナウイルスの影響を受けて、市場には前月に続く利下げ観測もあったが、人民銀は見送った。世界で感染拡大が深刻化する中で、今後の経済悪化も見据えて政策手段を確保する狙いがあるとみられる。

 LPRは金融機関の貸出金利の目安となるもので、人民銀は基本的に毎月20日に更新している。金融機関による企業への融資を促すため、2月には3カ月ぶりに引き下げていた。今月は5年物についても4・75%のままで据え置いた。

 ニュースサイトの中国新聞網は、中国国内で新型コロナの流行が落ち着いたことやインフレ懸念を挙げて、「金融緩和政策を急ぐことはない」というエコノミストの見方を伝えた。

 人民銀は、金融機関から預金の一定割合を強制的にあずかる「預金準備率」を16日から引き下げている。新型コロナの影響で経営状況が悪化している企業を金融面から支える動きを強めており、LPRについても引き下げに動くとの観測が出ていた。(北京 三塚聖平)

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