国内

「農畜産物の輸出に大きな影響」 JA全農

 全国農業協同組合連合会(JA全農)は24日、新型コロナウイルスの感染拡大で農畜産物の輸出に悪影響が生じていると説明した。東京都内で同日開いた令和2年度の事業計画に関する記者会見で、桑田義文専務は新型コロナに関し「(JA全農の事業で)恐らく最も痛みが大きいのが輸出事業」とした上で、「時間を追うごとに日本の農畜産物の輸出に大きな影響が出てきている」と懸念した。

 JA全農の主な輸出先は北米やアジア、欧州などだが、一部の国では新型コロナの感染拡大を防ぐために外出制限や飲食店の営業規制が打ち出されている。

 桑田氏はJA全農の和牛の輸出に関し、「香港向けは4月以降、例年の3割程度に落ちるのではないか」と指摘。欧米向けについても「飲食店の営業規制などで輸出できる見込みが立っておらず、ほぼゼロになるかもしれない」と述べた。

 政府は、元年に9121億円だった農林水産物・食品の輸出額を12年までに5兆円に引き上げる方針で、月内をめどに閣議決定する新たな「食料・農業・農村基本計画」にも明記する。ただ、新型コロナの感染拡大で急減速した外需が持ち直す展望は描けておらず、厳しい出だしとなる。

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