海外情勢

コロナが招く「大恐慌」不安 鍵握る感染抑制時期

 新型コロナウイルスの感染拡大で米国の事業活動が停止し、レイオフ(一時解雇)が急増する中、著名エコノミストらからは大恐慌と比較する声が聞こえてくる。大統領経済諮問委員会(CEA)のハセット前委員長は「(誰もが半年も自宅にとどまれば)大恐慌のようになるだろう」と語る。

 究極の不安は、米経済のリセッション(景気後退)が長期化し、大恐慌の様相を帯び始める可能性だ。

 元国際通貨基金(IMF)チーフエコノミストのモーリー・オブストフェルド氏は、世界の経済生産が同時中断する事態は何十年も見られなかったとし、考え付く最も端的な例は「大恐慌かもしれない」と述べた。

 休業や外出禁止などの措置で米経済が大幅な縮小に見舞われるのは疑いない。4~6月期の国内総生産(GDP)についてJPモルガン・チェースは年率14%減、バンク・オブ・アメリカ(BOA)とオックスフォード・エコノミクスはいずれも12%減と予想。ゴールドマン・サックス・グループは24%の落ち込みを見込む。モルガン・スタンレーは22日のリポートで、GDP見通しを大幅に下方修正し、30.1%減と歴史的落ち込みを記録すると予想した。

 セントルイス連銀のブラード総裁は同日のブルームバーグとのインタビューで、新型コロナ対応の休業などの影響で4~6月期に失業率は30%に急激に悪化する恐れがあり、GDPは50%減と、未曽有の落ち込みが見込まれると述べた。

 これは非常に大きな打撃だが、1四半期の年率ベースでの数字にすぎない。1929~33年の大恐慌では、経済全体が約25%収縮し、失業率は25%に接近した。リセッションは経済活動が広範囲で大幅に落ち込む局面を指し、その持続期間はさまざま。一方、大恐慌は1900年以降に1回しか発生しておらず、景気悪化が長期化し恐らく数年続く。

 経済の縮小が長期化するかどうかは、感染抑制にかかる時間に大きく左右されそうだ。全米経済研究所(NBER)で景気循環の日付認定に当たる委員会のメンバー、ハーバード大学のジェームズ・ストック教授は「このウイルスが今後数カ月に奇跡的に消滅しない限り、今回の封鎖状態はかなり長期にわたる恐れがあり、何四半期にもわたるというのは理にかなうシナリオだ」と述べた。(ブルームバーグ Rich Miller、Simon Kennedy)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus