海外情勢

韓国個人投資家が大荒れの原油相場で大やけど 価格連動商品への投資で損失

 難解な金融商品を好むことで知られる韓国の個人投資家が、原油先物の価格に連動した金融商品への投資で巨額の損失を被ったようだ。

 韓国の証券会社大手10社のうち5社以上が、北海原油代表油種ブレント先物が1バレル=70ドルを上回っていた2019年4月にデリバティブ(金融派生商品)を組み込んだ「仕組債」を販売した。各社が自社ウェブサイトで明らかにしている。

 これらの金融商品は香港証券取引所の株価指数「ハンセン中国企業指数(HSCEI)」やブレント先物、米国産標準油種(WTI)などあらかじめ定められた2、3の金融指標の値動きによって条件が変動し、今年3月9日の原油価格終値が1バレル=35ドルを下回ったら一部元本割れになる仕組みだった。

 韓国の規制当局にあたる金融監督院(FSS)は、国内証券会社が個人投資家にデリバティブ商品を販売する際に、事前説明が不十分などといった不適切な行為に対する監視を強めている。

 投資した個人の多くは退職金を安定した利回りで運用したい高齢者だった。

 証券会社の仕組債発行を管理していた規制が撤廃されたことで、18年に高利回りの金融商品への投資意欲が強まった。国内金利が過去最低水準に沈む中、高利回りの商品を求める個人投資家の需要をこうした商品が満たした格好だった。

 韓国の証券保管振替機関である韓国証券預託院(KSD)によると、同国の証券会社上位10社による19年の仕組債発行額は17兆6000億ウォン(約1兆5500億円)、現在の発行残高は15兆4000億ウォンだ。

 韓国大手証券会社の韓国投資証券(KIS)が販売した3年物の仕組債は、WTI先物とHSCEI、欧州のユーロストックス50指数の3つの参照指標のいずれかが昨年4月18日の終値から50%以上下落しなければ、年利8.7%の債券と同等のリターンを保証するというものだった。だがWTI先物はその後ソウル時間3月9日の昼食時までに約56%下落。(投資契約書の)条件によれば、債券の買い手は25%以上の元本が毀損(きそん)する。

 こうした仕組債は時折、販売する大手証券会社側にも混乱を引き起こす。

 韓国資本市場研究院(KCMI)のヒョソプ・リ研究員は「過去の事例からみて、証券会社もヘッジ手段を講じていなければ損失を被る恐れがある。個人投資家は最悪の場合、元本を全額失う恐れがある」と指摘している。(ブルームバーグ Heejin Kim)

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