海外情勢

米モーゲージ証券市場混乱 良質な住宅ローンも不良化の恐れ

 約10年前の世界金融危機の震源となった米モーゲージ証券市場が再び混乱し、金融業界を震撼(しんかん)させている。

 今回の混乱の原因は前回のように高リスクの住宅ローンにあるのではなく、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が質の高いローンまで不良化させ、同時に市場の資金を枯渇させる恐れがある状況にある。モーゲージおよび不動産の投資家は再び、巨額損失に見舞われるリスクを抱えている。

 感染拡大を抑えるための措置が商業活動にブレーキをかけ、企業は賃貸料支払いや商業用不動産ローン返済が難しくなっている。人員削減によって従業員も家賃や住宅ローンの支払いに行き詰まる。モーゲージ業界のベテランはデフォルト(債務不履行)の連鎖を警告する。

 モーゲージ証券を保有するファンドは顧客からの解約請求、取引相手からのマージンコール、資産のバリュエーション低下に見舞われ、週末に緊急資産売却を迫られた。こうした売却が加速すれば、証券の価格が下落し、他の投資家の資産評価引き下げや売却につながりかねない。

 不動産投資家のトム・バラック氏は23日、米商業用不動産ローン市場は崩壊の瀬戸際にあるとし、銀行と政府が迅速にデフォルト回避の措置を取らなければ「ドミノ現象」が起こると警告した。雇用主が賃貸料や給料を払えるように支援することが必要だとし、「商業活動が止まって賃貸料や金利が支払えなくなれば、銀行や仲介業者は投資家への支払いができなくなり、全てが崩壊する」と話した。(ブルームバーグ Shahien Nasiripour)

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