海外情勢

中国慎重も米は刺激策急ぐ 新型コロナ拡大 景気対応で好対照

 世界の2大経済大国である米国と中国の間で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気低迷への対応は大きく異なっている。

 中国人民銀行(中央銀行)は金融システムに資金を供給したが、大幅な金利引き下げは手控えている。政府はインフラ投資を加速させるとともに減税を実施したが、金融危機の際に踏み切った4兆元(現在のレートで約62兆円)規模の大規模刺激策からは程遠い。

 中国の慎重なアプローチは米国と対照的だ。米金融当局は大規模な金融緩和策に踏み切ったほか、トランプ大統領は1兆3000億ドル(約143兆円)規模と見込む景気刺激法案の策定を急いでいる。中国政府は新型コロナ対策を導いた功績を主張しているものの、今年の経済目標を達成する方法についてはまだ明確な方針を説明していない。一方、今年大統領選が行われる米国では、新型コロナ感染拡大に伴う国内景気の悪化や市場のパニックの可能性が政権にとって差し迫った懸念となっている。

 S&Pグローバル・レーティングのアジア太平洋チーフエコノミスト、ショーン・ローチ氏は「米国の政策対応とは著しく対照的だ」と指摘。「1カ月前に米金融当局が中国人民銀より15倍大きい政策金利引き下げを実施すると予想していた人はほとんどいなかっただろう」と述べた。

 米金融当局が今月に入りフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを計1.5ポイント引き下げたのに対し、中国人民銀は1年物の中期貸出制度(MLF)金利を0.1ポイント下げた。2つの金利は厳密には同等ではないが、1年物MLF金利は、人民銀が現在の金利枠組みを見直す中で当面の主要政策手段と見なされている。(ブルームバーグ Enda Curran)

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