海外情勢

アフガンにモデル事務所 若者事業で国のイメージ刷新

 アフガニスタンの首都カブールで、若者が新たな事業を起こしている。ファッションモデル事務所やカフェが相次ぎ登場。同国ではイスラム教の影響で保守的な風潮が根強いが、経営者は「国のイメージを変えたい」と意気込んでいる。

 「視線を固定するんだ。まばたきもだめ」。カブールのモデル事務所「モデルスタン」で、代表のハメド・バリさん(26)が10~20代の男女10人にポージングやウオーキングを指導していた。バリさんは奨学金を得てインドに留学。2018年に帰国し、モデル事務所を開設した。国内にモデル事務所がなかったため、国から開設許可を得るのも一筋縄ではいかなかった。「モデルとは何かを説明するのに苦労した」と振り返る。

 昨年12月と今年2月、ファッションショーなどをカブールのホテルで開催。アフガンでは女性が人前に出るのを避けるべきだとの風潮が強く、スカーフをまとわずハイヒールで堂々と舞台を歩く女性モデルに批判の声もあった。バリさんは「アフガンのイメージを、戦争やテロから美しい人々へと変えたい。次の世代が自由に生きられる下地をつくらなければ」と話し、批判を気にする様子はない。夢は欧州のショーに出演できるようなモデルを育成することだ。

 少数派ハザラ人の女性、ミナ・レザイさん(29)は18年、カブールの小規模店舗が集まる地区に、飲食店「シンプル・カフェ」を開いた。店内は西洋風の装飾品で彩られ、明るい雰囲気。午後8時まで営業しており、若い男女でにぎわっている。レザイさんは故郷の中部バーミヤン州に2店舗目を開きたいが、女性が外で働くことを良く思わない人も多い。「家族の理解や社会の空気…。女性を取り巻く全てが不十分なまま」と語る。

 ハザラ人の多くはイスラム教シーア派を信仰する。スンニ派の反政府武装勢力タリバンはハザラ人を標的とし、女性の権利も認めてこなかった。

 タリバンは軍を駐留させる米国と2月末に和平合意し、将来的には政権入りするとの臆測もある。レザイさんは「変わるのはタリバン。私たちではない」とし、市民の自由と権利を尊重するよう訴えた。(カブール 共同)

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