海外情勢

越南部で干魃と塩害深刻化 政府、5省に3500億ドン緊急支援

 世界有数のコメどころとして知られるベトナム南部メコンデルタで、干魃(かんばつ)と塩害が深刻化している。東南アジアの大河メコン川の水位が低下して海水が入り込み、ベンチェやキエンザンなど5省は緊急事態を宣言、対応に追われている。

 メコンデルタはメコン川の最下流域に広がる低湿地帯。地球温暖化による海面上昇に加え、中国などによる上流でのダム建設で川の流量が減ったこともあり、近年塩害に悩まされてきたが、今年は少雨のため際立って深刻という。

 地元メディアによると、緊急事態を宣言した5省では既に水田約4万ヘクタールが被害を受けた。生活用水も不足して価格が上昇、農家からは「資金の余裕もないのに、水の確保に多額の出費が強いられる」と悲鳴が上がる。

 メコンデルタでは2016年に「100年に一度」と言われる干魃と塩害に襲われた。水田16万ヘクタールが影響を受け、被害額は約5兆5000億ドン(約258億7700万円)に上ったが、「今回はそれを上回る被害が出そうだ」との観測が出ている。政府は先ごろ、5省に計約3500億ドンの緊急支援を表明した。

 ベンチェ省で農村支援に取り組む日本のNPO法人「Seed to Table(タネから食卓へ)」代表、伊能まゆさんは「16年に匹敵するか、それ以上に事態は深刻だ。栽培中の農作物被害に関しては現場で打つ手を見いだすのは難しい。行政による農家への補償が検討課題になるだろう」と話した。(ハノイ 共同)

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