海外情勢

台湾産花卉輸出にも新型コロナの影

 生花など台湾産花卉(かき)の輸出に新型コロナウイルスの感染拡大が暗い影を落としている。最大の輸出先である日本で大型イベントが相次いで中止となっているためだ。花卉輸出業組合の幹部は「日本での花卉需要は3月が最盛期。通常は値上がりするのに、今年は値崩れしている」と述べ、長期化へ懸念を示した。台湾メディアが伝えた。

 台湾から日本へはコチョウランやグラジオラス、トルコキキョウなどが輸出されており、今年1、2月の輸出額は約1172万ドル(約13億円)。だが、新型コロナ感染症の影響で、3月の日本の消費は半分に減少、価格も3割近く落ち込む見通しだという。

 台湾側の影響も大きく、南部の台南市は今月7~16日に予定していた世界三大ラン展とされる「台湾国際ラン展」を中止した。「花は生活必需品ではない」(花卉農家)ため、台湾での消費も落ち込んでおり、生産者の減収は避けられない情勢だ。

 ラン展会場近くの花卉農家ではビニールハウスで色とりどりのコチョウランが栽培されていた。日本と米国が主要な輸出先だが、日本向けの出荷はやはり減少。経営者の男性は「2011年の東日本大震災の際も日本向けは落ち込んだ。いずれ回復すると信じている」と前を向いた。(台北 共同)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus