国内

観光業悲鳴、宿泊税延期も 新型コロナ拡大で自治体相次ぎ決定

 新型コロナウイルスの感染拡大による宿泊業への影響を懸念し、自治体が「宿泊税」の導入時期を延期する動きが出ている。訪日外国人客の増加に伴い地方の新たな財源として注目されていたが、水を差された格好。自治体からは「観光業界が苦しい状況の中、議論するのは難しい」との声が上がっている。

 宿泊税は、自治体が条例で独自に設ける法定外税。ホテルや旅館などの宿泊料に上乗せする形で徴収している。3月時点で北海道倶知安(くっちゃん)町、東京都、大阪府、京都市、金沢市が導入済み。

 宮城県は2021年4月の導入を目指したが、今月、県議会に提案中の条例案を取り下げた。村井嘉浩知事は「ホテルや旅館、飲食業にキャンセルが続いている。事業者に心理的な負担をかけ、傷口に塩を塗るようなことになる」と理由を説明。今後の方針は白紙とした。

 沖縄県は2月議会への条例案提出を見送った。21年度中の導入目標は変えないが「今はとても新税を言い出せる状況ではない」と担当者。奈良市も、事業者からの懸念の声や観光への影響に配慮し、導入時期を見直すと明らかにした。

 一方、条例が昨年までに成立済みの福岡県と福岡市、北九州市は、予定通り今年4月から導入する。県の税務課は「直前の変更はかえって混乱を招く」と話す。

 ただ福岡県旅館ホテル生活衛生同業組合が2~3月に行ったアンケートでは、185会員事業者のうち8割が「導入を延期してほしい」と回答。組合の担当者は「コロナで宿泊や宴会のキャンセルが続き資金繰りに必死な中、宿泊税は苦しい」と語った。

 このほか内部で検討を進める自治体は多いが、感染拡大の終息が見えない現状に戸惑いも。静岡県熱海市は20年度中に導入時期や税額の結論を出す方針で、担当者は「コロナの影響を見極めながら判断しないといけない」と話した。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus