論風

デジタル国富論と地方創生 国民福祉向上に効果絶大 (2/2ページ)

 鶴岡市の取り組みを支援

 NRIは19年12月に、山形県鶴岡市と「デジタル化による構造改革事業」における連携活動に係る基本合意書を締結した。同市は、市内に立地する慶応大学先端生命科学研究所や理化学研究所、国立がん研究センターと連携して市民の検診データなどを分析して生活習慣病の予防治療に役立てている。

 同市がデジタルによる地方創生の模範となるべく推し進める、バイオヘルスケアサービス振興や防災・減災対策の推進、農業・中山間地域対策から構成される「スマートシティ推進」と、効率的な電子政府実現を目指す「デジタルガバメント構築」を両輪とする「鶴岡市のデジタル・地方創生」を、NRIは総合力を発揮して支援していきたい。

 4Gとスマートフォンが牽引(けんいん)したデジタル資本主義第一幕はGAFAが席巻した感があるが、その一方で北欧のように官民一体となり国民のウェルビーイング向上を実現している事例もある。

 デジタル戦略は成長戦略、すなわち国内総生産(GDP)増加の観点から語られることが多いが、日本が目指すべきは和製GAFAを作ることではなく、デジタル化によってどれだけ国民が幸福になったか(デジタル時代の国富)を競うことであろう。

【プロフィル】此本臣吾

 このもと・しんご 東大大学院修士修了。1985年野村総合研究所入社。専門分野はグローバル製造業の競争戦略。台北支店長、コンサルティング事業本部長などを経て2016年社長、19年6月から現職。60歳。東京都出身。

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