海外情勢

アフガン政府、タリバン捕虜100人を解放 和平合意実現に前進

 【シンガポール=森浩】アフガニスタン政府は8日、イスラム原理主義勢力タリバンの捕虜100人を解放したと発表した。解放は2月29日の米国とタリバンの和平合意に盛り込まれていたが調整が難航していた。合意の実現に向けて一歩前進した形だ。

 アフガン国家安全保障会議報道官によると、100人は首都カブール近郊のバグラム基地近くの収容所から解放されたという。報道官は「2度と戦場に戻らないという誓約も取った」と説明している。

 米国とタリバンの合意では、アフガン政府側がタリバン捕虜5千人を、タリバンが政府側捕虜千人を解放し、その後に政府とタリバンが停戦に関する直接協議を開くとしていた。しかし、捕虜をタリバンとの交渉材料として活用したいガニ大統領が難色を示し、解放に向けた作業は滞っていた。

 タリバン側が捕虜を解放したかは分かっていない。政府側は残りを段階的に解放する方針だが、タリバンの幹部級捕虜の処遇をめぐって意見に対立があるとみられ、事態はなお曲折が予想される。

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