国内

10万円給付、公平感とスピード重視 財源に課題も

 政府・与党は16日、新型コロナウイルス対策として国民1人当たり10万円の現金を一律給付するため、令和2年度補正予算案を組み替える検討に入った。経済界からは「ほぼ条件を付けないで給付することは、スピードが必要なことを考えれば、いいことだ」(経済同友会の桜田謙悟代表幹事)などと歓迎する声もあがるが、財源の確保といった課題もある。

 補正予算案には、緊急経済対策として収入の減った世帯への30万円の現金給付が盛り込まれている。受給世帯が限られる30万円給付の事業規模は約4兆円だ。

 これに対し、所得制限などの条件を付けずに国民1人当たり10万円を給付すると、12兆円超の財源が必要になる。30万円の給付をやめ、その財源を一律10万円給付に振り向けても、8兆円程度足りなくなる。

 このため、一律10万円給付の財源には「(国の財政の赤字を補填《ほてん》する)赤字国債を充てるしかない」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)とされ、政府もその方向だ。

 だが、日本の財政状況は先進国の中でも最悪だ。国際通貨基金(IMF)が15日に発表した報告書によれば、今年の政府債務は対国内総生産(GDP)比で251・9%となり、前年に比べて14・5ポイント上昇する見通しだ。赤字国債の発行によってさらなる財政悪化を招けば、将来的には増税などの国民負担につながりかねない。

 10万円の一律給付は「分かりやすく、公平感もある」(第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミスト)といった評価がある一方、高所得者にも給付されることで、“バラマキ”との批判もおきかねない。

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