海外情勢

米南部2州、一部営業再開へ 感染症専門家は警告

 米トランプ政権が先週、経済活動再開に向けた指針を発表したことを受け、南部の複数の州は20日、週内にも一部業種の営業再開を認めると表明した。トランプ大統領は連邦政府の省庁に対し、全国の自治体の活動再開の支援に当たるよう準備を命じた。しかし、保健当局トップは早過ぎる活動再開はかえって痛みを大きくすると警告している。

 新型コロナウイルス感染拡大の中心地、米ニューヨーク州の20日の発表によると、過去24時間に報告された感染による死者は月初以来最少の478人となり、6日連続で減少した。同州のクオモ知事は州内の流行が下降局面に入ったことを示すものだと述べた。

 こうした中、南部のジョージア、サウスカロライナ両州の知事は経済活動再開に向けた措置を講じた。ジョージア州では週内に入れ墨パーラーや映画館、ネイルサロンなどの営業が再開され、サウスカロライナ州では靴屋や花屋のほか、ビーチも再開する。

 ジョージア州のケンプ知事は先週末、他の南部の州知事との間で、トランプ政権が先週発表した経済活動再開の指針を受け、再開に向けた最適な方策を話し合った。サウスカロライナ州のマクマスター知事は20日の記者会見で同州の経済を迅速かつ安全に再開するためのタスクフォースを編成中だと説明。「青信号がともったときにアクセルをかけられるよう準備しなければならない」と話した。

 一方、ホワイトハウスは20日、連邦政府職員に対し、オフィスに復帰する準備をし、全国の州や自治体との間で活動再開計画の調整を行うよう命じた。

 しかし、感染症の第一人者としてホワイトハウスの政策に携わる米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は早期再開の動きに否定的だ。ミシガンやミネソタ、テキサス各州では、厳しい行動制限が経済を著しく損なっているとして、知事に解除を求めるデモが起きたが、同氏はABCの番組で、「ウイルスを制御可能な状況にしない限り、本当の意味での経済的回復は実現しない」と発言。「早計な行動で感染が急増する事態を招けば、状況は後退する」と牽制(けんせい)。デモをあおるツイートを連発したトランプ大統領の姿勢と対照的な発言となった。(ブルームバーグ Justin Sink、Jordan Fabian)

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