海外情勢

感染最多の米全体を襲う“コロナ失業” ホワイトカラーにも影響及ぶ

 世界最大の新型コロナウイルス感染国である米国の全土に、失業の津波が押し寄せている。飲食店やホテル、工場などで始まり、今はホワイトカラーにまで及ぶ。アナリストやエンジニアもまた、急速に広がる解雇の波にのみ込まれようとしている。

 封鎖2週間足らず

 ノースカロライナ州サマーフィールドに住むタイラー・サイモンさんは新たな職とともに2020年を迎えた。素晴らしい年になると考えていたが、期待は長くは続かなかった。

 2人の子供の父親であるサイモンさんは新型コロナが広がると、「本当にすぐに状況が悪化した」と語る。

 セールス研修会社のマーケティングスペシャリストのサイモンさんは4月7日、何人かの同僚と共に職を失った。ノースカロライナ州のロックダウン(都市封鎖)開始から2週間足らずのことだった。レイオフ(一時解雇)を免れた同僚もいるが、報酬は10%削られているとも話してくれた。こうしたことが全米で起きている。

 グラント・ソーントンのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏は「骨まで深く切り刻まれる状況を目の当たりにすることになるだろう」と述べ、「隠れる場所はなく、これからどんどん多くの人が巻き添えになっていくと思われる」と指摘する。

 米労働省が23日発表した18日終了週の新規失業保険申請件数は443万件となり、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響を受けたこの5週間の合計は2650万件に達した。米労働市場は大恐慌以来の急激な落ち込みに見舞われている。

 時短と異例賃下げ

 感染拡大を防ぐソーシャルディスタンス(社会的距離)戦略の一環である在宅勤務に対応しやすいホワイトカラーは、新型コロナ失業の最初の波を逃れていた。

 だが経済活動の大半が止まり、何とか事業を続けている企業も収益が急減し、これがオフィスワーカーを巻き込む雇用削減や一時帰休の第2波を引き起こしている。

 経営者は勤務時間短縮に加え、給与水準も引き下げている。時短はリセッション(景気後退)時によくある対応措置だが、賃金削減は異例。新型コロナ後の経済の在り方を示す悪い予兆かもしれない。

 オックスフォード・エコノミクスのグレゴリー・デイコ氏は、一時的とされている報酬カットは容易により恒久的な給与支払い削減につながる可能性があり、従業員の取り分は10%あるいは20%減ることになる見通しだと説明。「悲しいことに、これが長期化し得るリセッションのリアリティーだ」と同氏は話す。(ブルームバーグ Reade Pickert)

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