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鉱工業生産指数が新型コロナで判断引き下げ 3月は7年2カ月ぶり低水準

 経済産業省が30日発表した3月の鉱工業生産指数速報(2015年=100、季節調整済み)は95.8となり、前月と比べ3.7%低下した。下落は2カ月連続。新型コロナウイルスの感染拡大で、国内外の経済活動が停滞したことが響いた。指数は第2次安倍政権発足直後の13年1月以来、7年2カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。

 基調判断は「生産は一進一退ながら弱含み」から「生産は低下している」に下方修正した。生産の先行きは4月が1.4%上昇、5月は1.4%低下を予測。ただ今回の調査は4月上旬に実施しており、政府の緊急事態宣言など情勢の変化は十分に織り込まれていないという。経産省は「生産は4月も低下する可能性が高い。今後も低い状況が見込まれる」と懸念を示した。

 3月の生産指数の下げ幅は消費税増税があった昨年10月以来の大きさ。感染拡大の防止策で工場停止が相次いだのに加え、国内外の需要が大きく縮小。自動車など輸出関連産業の不振が響いた。

 業種別で見ると、全15業種のうち13業種が低下した。普通乗用車や自動車部品が振るわなかった自動車工業や、半導体製造装置などの生産用機械工業の落ち込みが目立った。一方で、自動車を除く輸送機械工業と、パルプ・紙・紙加工品工業は上昇した。

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