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インドネシア 高喫煙率が医療崩壊招く?

 インドネシアの喫煙率はこの20年間上昇が続いており、近年では、低下傾向にある世界平均の約2倍となる約40%に達した。この背景の一つとして、インドネシアの人口の9割近くを占めるイスラム教徒は飲酒が禁じられており、代わりにたばこを好むことが挙げられる。さらに、オランダ植民地時代から根付くたばこ産業は、多くの労働者を抱えるとともに財政面でもたばこ税が貴重な財源となっており、重要産業の一つとして位置付けられている。そのため、喫煙に関する規制がさほど設けられておらず、野放しに喫煙率が上昇してきた。

 世界的に流行する新型コロナウイルスの国ごとの致死率は、医療体制や感染スピード、母数となる感染者数の把握状況、高齢者比率など、さまざまな要因に左右されると考えられるが、喫煙者の死亡率が高いことが指摘されている。アジア諸国を比較しても、総じて喫煙率の高い国では新型コロナによる致死率も高く、特に喫煙率の高いインドネシアの致死率は約9%となっており、突出して高い。

 インドネシアでの新規感染は4月に入って頭打ちとなっており、同16日に政府は、感染が5月初旬~6月初旬にピークを迎えるとの見通しを示した。しかし一般に新興国は医療体制が脆弱(ぜいじゃく)であり、特に喫煙率の高いインドネシアでは、感染者の増加に加えて多数の重症者が出て病床が不足し、医療崩壊に至ることが懸念されている。(編集協力=日本政策投資銀行)

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