海外情勢

コロナがアジア富裕層を直撃 「固定満期型ファンド」が急落

 アジア富裕層は高リスクの債券商品にしばしば借入金で投資していた。新型コロナウイルスが世界の金融市場を揺るがす前、こうした投資家はいわゆる「固定満期型ファンド」に、安定した利回りを求めていた。バークレイズの先月の見積もりによると、アジアでのそのような商品への投資残高は100億ドル(約1兆678億円)を超えている。

 問題はこうしたファンドの多くが購入した高利回り債の価格がその後に急落したことと、これらのファンドを巨額の借り入れによって購入した投資家が多いことだ。投資家に債券価格サービスを提供するフィンテック企業、ボンドエバリューによれば、ファンドは3月時点で15~20%の価値を失っている。4月には幾分回復したがボラティリティー(変動制)は高い。

 元スタンダードチャータードのバンカーでボンドエバリュー創業者のラウール・バナジー氏は「固定満期型ファンドは投資家に大問題をもたらした」として、「銀行はプライベートバンク顧客に最大90%のレバレッジを提供しており、追証が発生した投資家はひどく苦しんでいる」と話した。

 こうしたファンドは購入した証券を一定期間保有することになっており、あらかじめ設定された分配金を支払うがリターンは保証しない。

 利回りを求める投資家の人気を集めていた信用市場の一角への新型コロナの打撃が浮き彫りになっている。固定満期型ファンドはリターンを高めるために2019年後半に、アジアの高利回り債や新興国市場債を買い増していたが、アジアのジャンク(投機的格付け)級ドル建て債のプレミアムは今年3月に少なくとも10年で最大となった。ブルームバーグ・バークレイズ指数によれば、4月に若干縮小したものの、ここ数日は原油急落などで再び拡大している。(ブルームバーグ Denise Wee)

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