海外情勢

アジアの中銀が禁じ手に挑戦 インドネシア・印・豪などが国債直接購入に積極的

 インドネシアやニュージーランドなどアジア太平洋地域の中央銀行が国債を直接引き受け政府に財政資金を供給する「国債のマネタイゼーション(貨幣化)」というタブーに挑もうとしている。インドネシア銀行(中央銀行)は4月28日、国債の直接買い入れを実施。投資環境がアジアで大きく変化していることを明確に示すことになる。

 10年前の危機管理は欧米が主導したが、今回はアジア勢が独自の対応に乗り出している。

 インドネシア国債は3分の1近くを国際的な投資家が保有。外国ファンドはまた高利回りのインド国債にも投資している。オーストラリアとニュージーランドでは国債残高の半分程度が海外投資家の保有だ。

 BNPパリバ・アセット・マネジメントの新興国市場債券責任者ジャンシャルル・サンボル氏(ロンドン在勤)は「いずれ出口戦略が必要だが、今は積極的な政策対応が求められ、アジアでは大半の政策当局が実践している。アジア諸国の発行パイプラインは他の地域と比べるとまだ管理可能だ」と述べた。

 ブラックロックのアジアクレジット責任者ニーラジ・セス氏(シンガポール在勤)は「投資家として速いペースで状況が変わっていくのを目にするのは魅力的だ。こうした状況に適応するため全体的な投資のパラダイム(枠組み)を本当に再調整する必要がある」と述べた。

 ブルームバーグの計算によると、インドネシア中銀は来年2月末までに短期証券を除く国債の11%を保有する可能性がある。豪州とニュージーランドの中銀はそれぞれ24%と39%に向かっている。インド準備銀行は、現在の15%から大きく増えると見込まれる。

 ただ日本ではこうしたトレンドにはらむ危険性も露呈。国債発行残高における日本銀行の保有比率は50%にも迫ろうとしているが、日本経済の本格的な復活には至っていない。

 インドネシア中銀は先週の入札でイスラム債を政府から直接買い入れ、国債購入の端緒を開いた。4月28日の入札で一般的な国債を政府から買い入れ、未踏の領域に踏み込む。

 インド中銀は現在、流動性オペ発表に基づき流通市場から債券を買い入れているほか、匿名でも購入。ニュージーランド準備銀行のオア総裁は、政府からの国債直接購入に対して柔軟な姿勢を示している。オーストラリア準備銀行は国債買い入れは流通市場からだけだと強調しているものの、3月の量的緩和開始以来の購入額は393億豪ドル(約2兆7100億円)に上る。(ブルームバーグ Ruth Carson、Masaki Kondo)

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