海外情勢

欧州各国で第2波警戒も緩和加速 慎重論ある中、経済再開にかじ

 新型コロナウイルスとの戦いを続けているユーロ圏の主要国が相次いで経済活動の再開に動き出す。域内最大の経済大国ドイツは月内に条件付きながら商店の営業やプロサッカーリーグを再開するほか、フランス、オランダやデンマークなどがロックダウン(都市封鎖)解除などの規制解除を段階的に実施する。ただ、域内には規制解除に慎重な国もあり、経済再開の動きはまだら模様となりそうだ。

 商店もサッカーも

 ドイツのメルケル首相は6日、レストランや商店の営業再開を認めると発表した。感染拡大防止に向けた制限を大幅に緩和し経済再開にかじを切る。全ての店舗に人数を制限した上での営業再開が認められるほか、レストランは9日から衛生管理などを徹底した上で再開を認める。サッカーリーグは今月後半に再開予定だ。

 メルケル首相は同日、16州の知事らと会合後、「ドイツではパンデミック(世界的大流行)のまさに最初の段階が過ぎ去ったといえる」と述べた上で「新型コロナとの闘いはまだ初期の段階だ。状況が悪い方向へそれないよう注意しなければならない」と警告した。

 最近の死亡者の増加ペースの鈍化などを背景に、欧州各国では経済活動の制限を解除する動きが加速している。フランスは11日に新型コロナの制限措置の解除を開始するほか、オランダ政府も6日、当初の予定から少なくとも1週間前倒し、来週から美容院やネイルサロンの再開を認める方針を明らかにした。オランダは1.5メートルの対人距離を取るという条件付きで、レストランやバー、映画館も6月1日から再開を認めた。

 いち早くロックダウンを実施したデンマークも、早ければ11日からレストランやショッピングモール、大型小売店の営業再開を認める方向で検討している。デンマークは4月半ばのイースター(復活祭)明けから保育園や一部の小学校を再開しているが、同国のフレデリクセン首相によると現在は全校の再開を視野に入れているという。

 経済再開に当たっては、感染が再拡大する第2波を防ぐための対策の厳格な実施が焦点となりそうだ。

 ドイツでは第2波のリスクを抑えるため、社会的距離を維持する措置を少なくとも6月5日まで延長した。また、感染が局地的に再び拡大した場合には、地域ベースで制限措置を復活させる可能性がある。

 予防策ピリピリ

 11日のロックダウン解除に向け、パリ市内の公共交通網を担当するパリ交通公団(RATP)は2000人の警察官を配備し、乗客が社会的距離やマスクの着用に関する行動規範を順守しているかどうかを監視する計画だ。RATPによると、バス内の除菌スプレーの散布など感染予防対策に向けた予算を少なくとも70%増額するとしている。

 この一方、欧州の一部の国は制限緩和に慎重な姿勢を崩していない。スペイン議会は6日、新型コロナの感染拡大に伴う非常事態宣言の期限を今月23日まで延長するサンチェス首相の案を承認した。

 サンチェス氏は「この時期における宣言の解除は完全な誤りだ」とした上で、現行の規制が確実に施行され、医療システムを制御するために態勢を維持することが必要だと主張している。

 アイルランドは18日に経済活動を再開する方針だが、アイルランドの最高医療責任者、トニー・ホロハン氏は「新型コロナによる感染者数と死者数が増加の一途をたどる中、再開の実現は不透明な状況だ」と指摘している。(ブルームバーグ Arne Delfs、Birgit Jennen)

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