海外情勢

北朝鮮で女性指導者は誕生するか 「カルト主導型システム」では一族が不可欠 (1/2ページ)

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長からいずれ権力を引き継ぐことになりそうなのは誰か。妹の与正(ヨジョン)氏は明らかにその候補のように見受けられる。

 与正氏はこれまで、トランプ米大統領や中国の習近平国家主席と正恩氏の首脳会談に同行し、2018年冬季五輪では北朝鮮を代表してペンス米副大統領の後ろに座った。一族の中で初めてソウル訪問を果たし、南北首脳会談に招待する書簡を韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領に手渡したのも与正氏だ。

 与正氏の権力継承に最大の壁となりそうなのが、厳格な男性中心社会の中で女性であることだ。多くの北朝鮮ウォッチャーは性別より血統の方が重要だと語るが、そうした見方に懐疑的な見方もある。

 高麗大学で北朝鮮問題を教え、以前は韓国統一省と国防省に助言していた柳何烈氏は、北朝鮮の封建制を理由に「与正氏の役割はせいぜい摂政程度にとどまるだろう」と指摘。「男性中心の指導部のみならず、一般市民も女性指導者には抵抗するだろう」と述べた。

 一方、ランド研究所で朝鮮半島問題を専門とする政策アナリストのスー・キム氏は、与正氏の国家運営能力を疑う人は驚くことになるかもしれないと指摘。「金一族の血筋がある以上、与正氏が指導者として国民に受け入れられるか心配する必要はない。北朝鮮の運命は金一族に始まり、金一族に終わる」と語った。

 また、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議で韓国代表を務めた千英宇氏は、以前にも増して存在感を強めた与正氏が「もはや一人の女性ではなく、国を支配する正統性を誰よりも受け継いだ指導者と見なされている」と分析。「北朝鮮は確かに世界で最も男性優位な社会の一つだが、朝鮮労働党での地位によって補われた血統は性別に優先する」と話した。

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