海外情勢

「隠れデフォルト」急増危機 新型コロナ後、一時しのぎで債権者に損失も

 新型コロナウイルスの影響で負債を抱えた企業のデフォルト(債務不履行)が急増する中、さらに多くの企業が、投資家には見えにくい方法でデフォルトを選択することになりそうだ。

 格付け会社は「経営難に伴う債務交換(ディストレスト・エクスチェンジ)」と呼ばれる手法に走る企業が今後増えるとみている。

 この手法では、債務者は既存債務と引き換えに債権者に新規または再編された証券を提供する。また既存債券を額面以下で買い戻すこともある。

 この手法は債務不履行より目立たず、一般投資家に気づかれずに行うことが可能だが、しばしば債権者に損失をもたらし、格付け会社は通常、デフォルトとして扱う。

 ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)と原油安に起因する不況の中、ディストレスト・エクスチェンジが増加すると予想している。またフィッチ・レーティングスは、高利回り債市場での「価格の混乱」が同手法の急増につながる可能性があると指摘している。

 企業の倒産リスクを予測する際に広く活用される指標Zスコアを開発したニューヨーク大学スターン経営大学院のエドワード・アルトマン名誉教授は「ディストレスト・エクスチェンジは単なる『包帯』であることが多く、会社は最終的に破綻する」と指摘。ディストレスト・エクスチェンジを選んだ企業の最大40%が3年以内に破綻すると予想している。

 ディストレスト・エクスチェンジは世界的な金融危機の最中に急増し、ここ数年は10年に及ぶ低金利時代に積み上がった債務に借り手が苦しむ中で高水準で推移してきた。ムーディーズの3月のリポートによると、デフォルト全体に占めるディストレスト・エクスチェンジの割合は2008年以前の数年間は10%前後だったが、その後は約40%に拡大した。(ブルームバーグ Denise Wee)

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