海外情勢

封鎖解除で欧米自動車に光明 感染リスク回避「渋滞より電車通勤が怖い」 (1/2ページ)

 欧米を中心に都市のロックダウン(都市封鎖)解除の動きが広がる中、自動車需要持ち直しの兆しが出てきた。通勤ラッシュ時間帯などに社会的距離を確保する上で、公共交通機関に比べ自動車が優れていることが改めて見直されているためだ。

 鉄道から需要シフト

 フランスの石油大手トタルのプヤンヌ最高経営責任者(CEO)は「公共交通機関の利用を怖がる人々が車の利用を増やしている」と指摘する。北京で広報部長の仕事をしているジェームズ・リーさんも「北京の交通渋滞で1時間身動きが取れない方が電車で30分間、人混みにもまれる危険を冒すよりもましだ。渋滞はひどいが、地下鉄に乗るのはやばい」と話す。

 ドイツの不動産会社のアシスタントのアンナ・ポーリゼックさんは、社会人になって初めて、フランクフルト市内を車通勤をしている。「信号に引っかかるよりも電車でゆったり過ごすことを常に望んでいたが、ロックダウンが解除された後、勤務先から職場復帰にあたり極力、公共交通機関を避けるよう要請された」ためだという。

 ドイツ自動車連盟(ADAC)によると、同国内では先週末の高速道路の渋滞が前週の2倍だったといい、マドリードやロンドンでも渋滞が増えた。

 オックスフォード・エコノミクスのドイツ担当チーフエコノミスト、オリバー・ラカウ氏は「移動量は引き続き、個人消費の回復と並行して膨らみそうだ。移動の迅速な回復は、潜在的な購買欲求が新型コロナウイルス感染への不安で回復不能なダメージを受けていない証拠で、店舗再開で個人消費が伸びる可能性がある」と分析する。

 欧米より一足早く経済活動を再開したアジアの一部地域でも通勤手段に変化が表れている。ブルームバーグNEFのデータによると、北京と上海、広州の道路では朝の交通量が2019年の平均を上回っており、地下鉄の利用は通常時よりかなり少ない。地下鉄の利用者数は北京で新型コロナの感染拡大前の水準を53%下回り、上海では29%、広州では39%それぞれ減少している。

 スペインのエネルギー企業レプソルのヨス・ヨン・イマス会長は「少なくとも常態に戻る初期には、公共交通機関の利用減少を見込んでいる」と話す。

 原油相場の支援材料

 自動車需要の復活は、前例のない規模の需要急減で歴史的急落を演じた原油相場に目先の支援材料を提供している。

 ドイツの業界ロビー団体によると、ロックダウン中に約8割落ち込んだガソリン、軽油の売り上げが急増したという。

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