海外情勢

米での大規模破綻のリスクを連銀総裁が警告 マイナス金利には慎重

 米金融当局者らは、新型コロナウイルス感染拡大と米経済活動の一部停止で、4~6月期(第2四半期)は歴史的なマイナス成長になると予想する。また大量の企業破綻が起きるリスクがあり、長期にわたり傷痕を残す恐れがあると指摘した。

 より直接的な支援を

 セントルイス連銀のブラード総裁は12日、ミズーリ州セントルイス市からのビデオ講演で、経済活動停止が長引けば、「大規模な企業破綻が起き、不況に陥るリスクが生じる」と指摘した。

 一方、クリーブランド連銀のメスター総裁は同日、CFOソサエティー・シカゴ主催のオンライン討論会後の電話会議で、連邦政府による次の経済対策について企業倒産の広がりや銀行セクターの不安定化の可能性に言及したうえで、「より直接的な財政政策と支援が必要だ」と強調した。

 ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、新型コロナ流行からの「緩やかで弱い回復」に警告を発した。

 またダラス連銀のカプラン総裁は、失業率が上昇し続けた場合、財政による追加の刺激策が必要になるとの認識を示した。

 GDP40%減の恐れ

 金融当局は3月半ば、政策金利をゼロ付近に引き下げた。また前例のない規模の融資プログラムも打ち出している。ただそれでも、ブラード総裁は、4~6月期の国内総生産(GDP)が約40%減少する可能性があると警告。政府による事業閉鎖命令は持続不可能だと加えた。

 ブラード総裁はGDPの減少について、「驚くべき数字で、米経済が戦後に経験したいかなるマイナス成長よりはるかにひどいものになる」と指摘。「世界の主要経済、特に米経済で極めて長期にわたり停止ボタンを押すわけにはいかない。この政策の限度は90日間ないし120日間だろう」と指摘した。

 そのうえで、企業が活動を再開しなければ「あまりに多くの破綻が起き、長期にわたり悪影響が残る」と言明した。

 またカシュカリ総裁もオンラインでのイベントで、健康や医療への懸念から消費者や企業の活動は引き続き抑制され、景気回復は緩慢なものになるとの認識を示した。

 カシュカリ総裁は「このウイルスをめぐる状況をしっかり把握するまで、経済を立て直すことはできない」とし、「正常といえるような経済に戻るまで、起伏のある回復をゆっくりと続けていくことになるのかもしれない」と述べた。

 マイナス金利については各総裁とも、近い将来に利用する手段にはならないとの見解を示した。

 ブラード総裁は、欧州と日本の例を挙げて説明。資産購入の方が手段としてより可能性が高いと述べた。

 トランプ米大統領は12日、これら金融当局者の発言の後、米国はマイナス金利という「贈り物」を受け取るべきだとツイッターに投稿し、金融当局にマイナス金利の導入を改めて要求した。(ブルームバーグ Steve Matthews、Matthew Boesler)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus