海外情勢

米が医薬品製造に巨額投資 コロナで備蓄減少、国内回帰を促進

 トランプ政権は米国内での医薬品製造を拡大するため多額の資金を投じる方針だ。世界的な医薬品サプライチェーン(供給網)の脆弱(ぜいじゃく)さをめぐる懸念は長年あったが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)でそれが浮き彫りになった。

 緊急時の医療対応策定を担う米厚生省の生物医学先端研究開発局(BARDA)は19日、供給不足に陥っている医薬品の生産でバージニア州に本社を置くフロウに3億4500万ドル(約370億円)規模の契約を与えた。医薬品の国内製造を通じた公益を社是とする同社が戦略的国家備蓄向けに160万回分のジェネリック(後発薬)を供給する内容。備蓄は新型コロナへの対応で減少している。

 米国で使用される薬剤の有効成分は約80%がインドや中国など海外から輸入される。新型コロナ流行で一部の医薬品や医療物資の需要が急増し、米国で不足への懸念が強まった。BARDAは3月、新型コロナとの闘いで医薬品・ワクチンの生産合理化を優先事項の一つに設定したが、これは企業が労働コストの低い国よりも米国で製造しやすくする幅広い取り組みの一環だった。

 アザー米厚生長官は19日、「厚生省は民間部門と協力しながら、米国製の原料を活用し新たな国内雇用を生み出すことを通じて、衛生上の脅威に対する自衛能力を再構築する重要な措置を講じている」との声明を発表した。

 BARDA当局者によると、同局は医薬品製造を米国により回帰させる取り組みに多額の資金を投じる方針。ゲーリー・ディスブロウ局長代行は電子メールで「BARDAはこの分野への戦略的かつ多額の投資を想定している」と説明した。(ブルームバーグ Anna Edney)

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