海外情勢

中国、疑念を深めるジンバブエの石炭火力への投資 日米欧は既に取りやめ (1/2ページ)

 アフリカ南部ジンバブエが二十数年来、着工に向けて尽力してきた石炭火力発電総合施設の巨大プロジェクトが中国から42億ドル(約4490億円)の資金を得て始動する。地球環境問題から世界的に批判が高まる石炭関連のプロジェクトには日米欧の金融機関が既に投資を取りやめ、南アフリカ共和国の銀行も昨年以来融資を縮小しており、中国企業に投資機会が回る。中国企業の多くは政府支援を受けており、気候変動に対する中国の国際的取り組みに対し疑念が深まりそうだ。

 総額12億ドルの契約

 ジンバブエの鉱業会社リオジン傘下で同プロジェクトを運営するリオエナジーのセレブ・デング会長によると、中国国有の中国電力建設が700メガワットの発電設備、ジンバブエとザンビアにまたがるカリバダムから水を引くパイプライン、送電線の建設を含む総額12億ドルの第1期プロジェクトの契約に応じた。国有の中国工商銀行が資金を提供し、戦争や自然災害などで代金回収が不能になる「非常危険」の際に中国輸出信用保険公司(SINOSURE)が保険金を支払う。また、2100メガワット相当の残りのプロジェクトについても4月に30億ドルで契約が成立し、一部国有の中国葛洲●集団(●=つちへんに霸)がプロジェクトの進行と資金調達を行う。

 ジンバブエ経済の崩壊と場当たり的な政策から20年におよび海外からの投資を阻んできた。加えて電力不足により現在1日18時間もの計画停電を余儀なくされており、今回の中国からの投資は貴重だ。

 デング氏は「世界の主要銀行が石炭火力発電所への融資をやめざるを得ない折だけに、このプロジェクトの前進は非常に喜ばしい。契約が締結したことで、中国がアフリカの開発プロジェクトに協力したいと望み、本気で取り組んでいることが証明された」と話す。

 高い信用損失リスク

 中国は現在、友好国を必要としている。新型コロナウイルスが中国の武漢市で最初に確認された際の対応に全世界中の非難が高まり、4月には広東省広州でアフリカ系住民が人種差別的な扱いを受け、中国に対する信頼は地に落ちている。さらに温暖化ガスや汚染物質を大量に排出する石炭関連への投資が中国の孤立をますます深めている。

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