国内

首相会見全文(4)接触確認アプリ「個人情報取得せず、来月中旬目途に導入」

=(3)から続く

 「クラスター(感染者集団)対策を一層強化することが必要です。そのカギは、接触確認アプリの導入です。スマートフォンの通信機能により、陽性が判明した人と、一定時間近くにいたことが判明した方々、すなわち、濃厚接触の可能性が高い皆さんに自動的に通知することで、早期の対策につなげるアプリです。先月、(英国の)オックスフォード大学が発表したシミュレーションによれば、このアプリが人口の6割近くに普及し、濃厚接触者を早期に、早期の確認につなげることができれば、ロックダウンを避けることが可能となる大きな効果が期待できるという研究があります。わが国では、個人情報は全く取得しない。安心して使えるアプリを来月中旬を目途に導入する予定です。どうか多くの皆さんに、ご活用いただきたいと思います」

 「同時に医師が必要と判断した場合には、直ちに検査を実施する。検査体制の強化にも引き続き取り組んでまいります。抗原検査の使用がすでに始まりましたが、PCR検査についても、民間検査機関への支援に加え、大学にある検査機器を活用させていただくなど、検査機能の拡大を進めます。検体を採取する体制も増強します。これまでの専用外来に加え、医師会のご協力をいただき、全国ですでに100カ所近いPCRセンターを設置しており、これを一層拡大していきます。2兆円を超える予算を積み増し、自治体と連携しながら、医療提供体制の充実にも取り組みます。全国各地で新型コロナ重点医療機関を指定し、今後の流行の恐れに備え、十分な専用病床をしっかりと確保していきます。ウイルスとの戦いの最前線で、奮闘してくださっている医療従事者、病院スタッフの皆さん、介護事業所の皆さんに心からの感謝の気持ちとともに、最大20万円の給付を行う考えです」

 「高機能マスクや医療用ガウンなどの防護具についても、ウェブを使って全国の8000近い医療機関の状況を直接把握しながら、国による配布を強化していきます。感染状況が落ち着いてきたこの機を生かし、さまざまな取り組みを加速し、次なる流行の恐れに万全の備えを固めてまいります」

 「世界に目を向ければ、感染はいまなお拡大を続けています。そうした中で、本日の政府対策本部では、水際対策のさらなる強化も決定いたします。入国拒否の対象国は100カ国を超えることとなります。経済のグローバル化が進んだ現代で、人の動きが止まることは、世界経済に致命的なダメージを与えます。欧米での厳しいロックダウン(都市封鎖)によって、生産などの経済活動も大きく停滞しました。世界経済の復活なくして、日本経済の力強い再生もありません。国内で感染が落ち着いたとしても、世界的な感染の拡大に歯止めがかからない限り、真の収束はないのです。私たちは自国のことのみに専念してはならない。内向きな発想では、この世界的課題を根本的に解決することができないと、考えています。しかし感染が拡大している国では、そうした余裕はありません。これまで世界の政治経済をリードしてきた国々の多くは今、国内の対応で、手一杯になっている。そうした現実があります」

=(5)へ続く

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