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インドネシア、定温輸送で医薬品の品質向上

 インドネシアでは、2014年に開始された国民皆保険制度によって医療機関の受診が増加したことに加え、経済成長による所得の増加も背景となり医薬品産業が拡大している。日系を含む外資系医薬品メーカーの進出により医薬品の輸入も増加傾向にある。

 医薬品の品質の維持には流通過程での適正な管理が必要なことから、世界保健機関(WHO)では「GDP(医薬品の適正な流通に関する基準)」として定めている。一例として、輸送・保管時の厳格な温度管理(上限・下限値を逸脱した場合の時間や回数など)が挙げられ、日系物流企業が16年8月にインドネシアで初となるGDP認証を取得している。

 インドネシアは、国土が多くの島で形成されているため、地方への物資輸送に時間を要する。しかし、保冷施設・保冷車両は常温物流と比べ施設・設備の維持・管理にコストがかかるため整備が不十分であり、サプライチェーン(供給網)上の温度管理は課題となってきた。だが、近年は水産品や畜産品、乳製品などの食品の増加によって、冷凍冷蔵倉庫や保冷車両の供給量が増加しつつある。

 技術面において、日本は物流ガイドラインの策定や物流サービスの環境整備に協力するなど定温物流の発展を支援しており、17年には日系物流企業による冷凍冷蔵倉庫の整備・運営を通して冷凍食品市場の拡大を支える。今後、定温輸送の普及拡大による物流の高度化が、医薬品の流通経路における品質管理の向上にも貢献することが期待される。(編集協力=日本政策投資銀行)

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