政府は26日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた令和2年度第2次補正予算案の概要を自民、公明両党に示した。家賃の支払いが困難になった中小・小規模事業者などの負担を軽減するため最大600万円を支給する給付金制度を新設、医療従事者らには最大20万円を給付する。事業規模は1次補正と合わせて200兆円超になる見通し。27日に閣議決定する。
家賃支援は1カ月の売り上げが前年同月比で5割以上減るか、3カ月の売り上げが前年同期比で3割以上減った事業者を対象に原則、3分の2を半年分補助する。上限は中小・中堅が月額50万円、個人事業主は同25万円で、最大300万円を給付。複数店舗を持つ事業者に対しては300万円まで上積みできる特例を設け、最大600万円給付するとした。
雇用対策として雇用調整助成金の日額上限を8330円から1万5000円に引き上げるほか、勤務先から休業手当を受け取れない人のため、労働者が直接申請できる新制度を創設し、月額33万円を上限に支給する。
一方、感染リスクの高い医療従事者や介護従事者らに最大20万円を給付。第2波に備えて予備費も積み増す。具体的な金額は示されなかったが5兆円以上を計上する方向で調整している。
2次補正の概要が示された26日の自民党会合では、政府や党に対する不満の声も上がった。
「3密」回避のため、2部構成で行われた会議は計約4時間にわたって行われた。出席者からは「3次補正を編成しなくても迅速に対応できるように、予備費を積み増すべきだ」といった意見や、「全国民を対象にした10万円給付のスピードに地域差がある」との指摘もあった。
一方、会議では実際の政府支出を表す「真水」の額や予備費が具体的に提示されなかったことに対し、「数字が示されないのはおかしい」との批判も出た。会議後、若手議員の1人は「大事なのは予算の規模感なのに、それも示されないのでは議論はできない」と漏らした。(今仲信博、広池慶一)