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“お菓子の持つ力”信じて…「ラ コリーナ」のV字回復戦略 (1/2ページ)

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で一時は全店舗が閉店し、売り上げも減少した和洋菓子の製造販売の「たねやグループ」(滋賀県近江八幡市)が、試行錯誤を続けている。年間300万人以上が訪れる人気観光スポットにもなった旗艦店「ラ コリーナ近江八幡」も休業を余儀なくされ、打撃を受けたが、外出を控える人たちをターゲットにした通販事業に力を入れ、ドライブスルー販売も検討している。社員たちは食べた人を笑顔にする「お菓子の持つ力」を信じてお茶の間に届ける努力を続けている。(清水更沙)

 勢いに「待った」

 たねやグループは、明治5(1872)年創業の和菓子店「たねや」と、洋菓子店「クラブハリエ」を展開する。たねやは伝統的な和菓子に加え、ぱりぱりとした最中種にみずみずしいあんをはさんで食べる「ふくみ天平」など斬新な商品が注目を集めてきた。また、クラブハリエは、独特のしっとりとした味わいのバウムクーヘンが人気だ。

 平成27年には、広大な土地に里山の風景を再現した旗艦店「ラ コリーナ近江八幡」を近江八幡市内に開業した。グループの商品が手に入るショップのほか、カフェやパン屋なども備えたお菓子のテーマパークのような場所で、昨年は323万人を超える人が訪れ、滋賀県でトップの集客率を誇る観光施設に成長している。

 ところが、その勢いに「待った」をかけたのが新型コロナウイルスだった。感染拡大の影響を受け、「ラ コリーナ」をはじめ、百貨店内や県内の独立店舗も一時、臨時休業に追い込まれた。グループの百貨店販売の売り上げは前年同月比で8割減になった。

 「あらためて、人に来てもらえるありがたさを痛感する日々です」

 クラブハリエの山本隆夫社長(47)は人がいなくなった「ラ コリーナ」を見渡しながらこう話す。

 現状打破へ奮闘

 店舗が臨時休業となったことから、春先から通販部門に人を集約してメニューの強化を図ってきた。前年同期は約300品目だった商品を4月以降400品目に増やした。店舗での提供とは異なり、通販商品は作ったときから食べるまでに時間がかかることから、おいしさや、食感を長時間保てる商品を探して新しく通販商品に加えている。

 例えば、卵黄にきめ細かく泡立てたメレンゲを合わせ、湯煎焼きでじっくり焼き上げることで、時間がたっても、しっとりとした食感を残せる「天使のふわふわスフレ」は5月20日から通販を始めると、即日完売。好評のため、6月1日からの販売再開を予定している。また、自宅で気楽に楽しんでもらえるようにと、洋菓子と和菓子を小分けにして入れた箱売りのセットの通販も始めた。

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