海外情勢

豪が大麦の新たな買い手探し 中国の高関税で日本やベトナムなど調査

 オーストラリア産大麦の最大輸入国である中国が約80%の関税を課したことに対応し、豪州の農家は新たな買い手探しに全力を挙げている。

 豪州は大半がビールなどの醸造や家畜向け飼料として使われる大麦の新規顧客あるいは輸出増加が見込まれる市場として、日本やベトナム、インドネシア、インド、サウジアラビアなどを調査している。

 リトルプラウド豪農業・干魃(かんばつ)・危機管理相は先週、ビクトリア州の記者クラブで「国際貿易と豪州での最近の出来事から導き出すべきことは、輸出業は市場を集中すべきではないというシンプルなビジネスの原則だ。リスクの分散が重要」と指摘した。

 同相は中国の関税をめぐり打開策を探った上で、世界貿易機関(WTO)に提訴するかどうかを検討することになるだろうとしながらも、「WTOでの紛争処理は数年かかる。それが他の市場の開拓にわれわれが非常に力を入れている理由だ」と説明した。

 中国はここ数年、豪州産大麦の抜きんでた輸入国だ。2位は日本だが、その差は大きい。中国は2017~18年に570万トンを購入。18~19年は250万トンに減少したが、日本が18~19年に買い入れた74万6000トンをはるかに上回る。

 ただ日本は醸造用に大麦購入を増やす可能性がある。中国向けに豪州産大麦を運んでいた貨物船「エコ・ダイナミック」は最近、中国による高関税賦課を受け、目的地を日本に変更している。INTL・FCストーンのニコラス・オーシッチ氏によれば、日本で使われる麦芽用大麦の多くが豪州産で、日本が買い付けを増やす可能性は大きい。特に今はウクライナやフランスなどの輸出国と比べ、豪州産の価格に競争力があるという。

 ベトナムでは醸造用とともに養豚業が拡大していることから家畜用飼料にも需要があり、豪州産大麦の輸入を増やす可能性がある。18~19年に39万3000トンが出荷されたベトナムは、豪州産大麦の輸入国として3位となった。(ブルームバーグ Ainslie Chandler)

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