海外情勢

全米経済研究所の景気後退正式宣言、大統領選に波紋 家計痛む有権者を左右

 トランプ米大統領は再選を阻み得る新たな問題に直面している。米経済の正式なリセッション(景気後退)入りだ。

 景気循環を判定する全米経済研究所(NBER)は8日、リセッション入りを正式に宣言した。有権者が景気悪化による痛みを感じている中で宣言されたことから、米経済のかじ取りを誰に託すべきかとの判断に影響する見通しだ。

 民主党大統領候補指名が確定したバイデン前副大統領にとって今回のリセッション入り宣言は、米経済が新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受ける前に既に基盤が揺らいでいたとの自身の主張を裏付けるものになる。バイデン氏は、オバマ前大統領と自分から引き継いだ好調な米経済をトランプ大統領が「無駄遣い」したと指摘している。

 一方、トランプ大統領は5日の米雇用統計で5月の非農業部門雇用者数が前月比250万人増と市場予想に反してプラスとなり、失業率も予想外に低下したことを「米国史上最も素晴らしい回復」の兆候だと称賛した直後の週明けに同宣言に直面することになった。

 トランプ大統領の支持率はこれ以前から、新型コロナやその経済への影響、黒人男性暴行死への抗議活動への対応により全米で低下している。大統領は向こう数週間に開く集会で経済面での実績を訴え、支持率を回復させたい考えだ。

 トランプ大統領は9日、「偉大さへの移行!」「米国の復活!」とツイート。リセッション宣言には触れず、力強い経済を一度築き上げた自分には、その再現が可能だと引き続き訴えている。

 これに対しバイデン氏は、副大統領に就任した2009年時点ではブッシュ(息子)政権時代に始まったリセッションが続いていたが、自ら主導した景気浮揚の取り組みによって景気は拡大へと転じたと主張。今度は大統領として経済をよみがえらせることができるとしている。(ブルームバーグ Gregory Korte)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus