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世界のGDP、1300兆円喪失 新型コロナで前例ない危機に (1/2ページ)

 世界全体の総生産(GDP)が来年までに約12兆5千億ドル(約1300兆円)失われると国際通貨基金(IMF)が試算したのは、新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が著しく停滞したためだ。営業規制などの感染防止策は日米欧の先進国で緩和されたが、過去の不況と異なる「類例のない危機」(IMF)が、雇用喪失や貿易低迷の長期化を招く恐れがあり、景気回復への前途を不確実にしている。(ワシントン 塩原永久)

 IMFが24日に改訂した世界経済見通しは、2020年の主要な先進国と新興国全ての成長率を下方修正した。IMFチーフエコノミストのゴピナート氏は、同日の記者会見で、感染症の悪影響を「逃れられた国はない」と述べた。

 1930年代の世界恐慌では世界成長率がマイナス10%程度まで落ち込んだと推定され、感染症が引き金となった今回の不況は「世界恐慌ほどではないが、極めて並外れた経済危機」との見方を同氏は示した。

 世界経済が失った「富」は12兆ドルを超え、2008年の金融危機(リーマン・ショック)ですら「世界のGDPに与えた影響は今回より小さかった」という。

 通常の経済危機では投資の冷え込みで製造業が大きな悪影響を受けるが、今回は営業規制のしわ寄せを受け、サービス業が大打撃を被った国が多いという。

 先進国では近年、製造業よりサービス業の従事者が増加傾向にある。雇用悪化が長引き、景気改善の足かせになる懸念がある。

 一方、物品とサービスの貿易量が20年にマイナス11・9%になると予測され、「輸出依存型の国々の景気回復を妨げる」(ゴピナート氏)とみられる。

 世界各国がコロナ禍をしのぐために投じた財政措置は計11兆ドル(約1170兆円)に達した。支出拡大に伴い、世界の公的債務はGDP比で101%を上回り、過去最大となる。流行「第2波」が予想されるが、さらなる財政出動の余力は乏しい。家計や企業を幅広く支える大規模な経済対策から、必要な支援先に絞った財政支出に「段階的に移行」(IMF)しながら、回復を後押しする政策のかじ取りが必要になる。

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