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9年目のパナソニック・津賀社長、正念場 業績不振の責任問う株主も

 パナソニックは25日、大阪市中央区の大阪城ホールで株主総会を開いた。就任9年目に入った津賀一宏社長ら取締役13人の選任議案はすべて可決。津賀社長は「新型コロナウイルスの感染拡大という100年に1度の難局を100年企業である自らを変える機会にしたい」と抱負を語ったが、株主からは業績不振の責任を問う声があがった。構造改革も成果が上がっているといえず、異例の長期経営は正念場を迎えている。(山本考志)

 津賀社長は新型コロナの影響で今年度の業績予想を公表できていないことについて、「影響が合理的に算定できた時点で速やかに公表する」と説明。自動車・航空業界の市況低迷や各国の外出規制による需要減などで4~6月を中心に業績悪化が見込まれるとしながらも、中国が回復基調にあるとして「全社一丸となって難局を乗り越える」と強調した。

 赤字が続く米電気自動車大手テスラ向けの車載電池事業については、増産態勢の強化で北米工場が黒字化したことなどを強調。米ソフトウエア会社への投資で、サプライチェーン(供給網)の効率的な運用方法を提供するビジネスの確立を目指すとし、「コロナによる大きな変化を追い風ととらえ挑戦していく」と語った。

 一方、株主が投資の失敗による特別損失や赤字事業について経営陣の責任を問う場面もあり、津賀社長は「さまざまな投資の失敗があるのは事実だが、失敗を恐れると成長できない。全体のバランスを取りながらやっていくことが重要」と釈明。株主からは、かつてのライバル、ソニーに比べて株式の時価総額が低迷している点を指摘する声も上がった。

 今回の総会は、感染予防のため株主に来場の自粛を呼びかけ、会場では手指消毒や検温を徹底するなど厳戒態勢の中で開催。所要時間も昨年の117分から68分に短縮された。東京と名古屋の中継会場を廃止したこともあり、出席者数は312人で昨年の3871人から大幅に減少した。

 総会に参加した大阪府枚方市の無職男性(77)は「原点に戻って家電などの製品の質を高める道を進むべきだ」と話した。

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