海外情勢

米消費に冷水、急失速も 経済早期再開の3州で新型コロナ新規感染が最多

 経済活動を早期に再開した米国の3州で新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多を記録し、市民の間に外出や買い物を手控える動きが広がり始めた。店舗などの閉鎖や再開延期の動きも相次ぎ、米経済で最大の比率を占める個人消費の回復ペースに急ブレーキがかかりかねない情勢だ。

 客も一段と消極的

 新型コロナ感染の第2波が懸念されているフロリダ、カリフォルニア、テキサスの3州で24日、新規感染者がいずれも過去最多を更新した。新規感染はそれぞれ5508人、7149人、5551人だった。テキサス州のアボット知事は州全域で大規模な感染拡大が発生していると警告した。こうした事態を受け、ニューヨークとニュージャージー、コネティカットの北東部3州は感染急増地域から移動してくる人に、14日間の隔離を義務付けると発表した。

 アリゾナ州フェニックスにあるバー「ワンダリング・トータス」には、外出制限措置が先月解除されると、多くの客が来店した。しかし、感染者が急増し始め同州が流行の新たな中心地になるにつれ、来客の動きは鈍化。感染が再び広がっている州では同店のような零細企業が需要の落ち込みを経験しており、客も一段と消極的になっているとの報告が店舗から相次いでいる。一部レストランも営業再開後に再び休業を強いられた。

 大手企業の間にも活動再開計画を見直す動きが出ている。アップルは24日、感染者急増を理由にテキサス州ヒューストンの7店舗を再度閉鎖すると発表した。営業再開後に閉鎖した店舗数は計18となった。

 メディア娯楽大手ウォルト・ディズニーは、7月17日に予定していたカリフォルニア州のテーマパークとリゾートホテルの営業再開を無期延期することを決めた。新型コロナの安全対策などをめぐり労組と時間内に合意し、州当局から承認を獲得するのは困難と判断した。約1万7000人のディズニーランドの従業員は先週、営業再開に際した安全性確保の手続きに懸念を表明する書簡を同州のニューサム知事に送っていた。

 再び活動自粛の波

 新型コロナで消費を再び手控える動きは今のところ事例での報告が大半だが、5月の小売売上高が過去最大の増加率を示すなど活況を呈し始めたばかりの経済の足かせとなりかねない。

 バンク・オブ・アメリカの米国担当エコノミスト、ミシェル・マイヤー氏は最初に活動を再開させ、再び感染拡大に見舞われている州の一部について「今や踊り場に入りつつあることを示す極めて初期的な兆しを目にするようになった」と話す。

 米投資銀行ジェフリーズは24日の顧客向けリポートで「一般の人々は新型コロナに心理的に免疫があるわけでなく、当局の活動制限にもかかわらず、もしくはそれがないために再び感染が広がれば、活動を自粛するだろう」と指摘した。

 ドイチェ・バンク・セキュリティーズの経済調査グローバル責任者、ピーター・フーパー氏は24日のブルームバーグ・テレビとのインタビューで、「ベビーブーマーは米個人消費支出の30~35%を占める。感染の状況が悪化すれば、個人消費は先行き停滞する」と語った。

 JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は「個人消費が停滞すれば、消費需要が抑制されて、まだ能力を大きく下回る稼働率での操業を余儀なくされ、利益幅の小さい多くの米企業に深刻な問題を引き起こすだろう」と話した。(ブルームバーグ Katya Kazakina、Rich Miller)

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