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過熱した日医会長選、第2波に備え亀裂の修復急務 中川氏初当選

 日本医師会(日医)の会長選は27日、中川俊男氏の初当選で幕を閉じた。この日が誕生日の中川氏にとって最高の「贈り物」となったに違いない。ただ、水面下で泥仕合が展開され、後味の悪さも残った。新型コロナウイルス感染症の第2波に備え、内部に生じた亀裂の修復は急務といえる。

 「国民の健康と命を守るためならどんな圧力にも負けない。堂々とモノを言える新しい日医に変える」

 中川氏は会長選が行われた代議員会でそう宣言した。記者会見では「私が会長になったのだから自然と私の色が出る」「中川流といいますか…」と語るなど、こわもてで知られ、舌鋒(ぜっぽう)鋭い中川氏らしく強気の姿勢をのぞかせた。

 会長選をめぐっては、横倉義武氏は当初、コロナ禍のさなかとあって「選挙戦は避けたい」と不出馬の考えを固めていた。だが、日医内外から慰留する声が相次ぎ、翻意した。これに対し、中川氏は「いつか自分の出番が来ると頑張ってきた。(次の任期が終わる)2年は待てない」と執念をみなぎらせた。

 選挙戦は過熱し、中川氏支持の医師からは「禅譲を信じていたのに裏をかかれた」との批判が飛び出し、その一方で「中川派が仕掛けたクーデターだ」と書かれた怪文書が出回った。

 自民党厚生労働族からは早くも「安倍晋三首相にケチをつけることがあれば対決だ」と警戒する声が漏れる。これまで厚労族と横倉執行部は連携して、社会保障費を抑制しようとする財務省に対峙(たいじ)してきた。財務省は首相が信頼を寄せる横倉氏を無下にできなかった。中川新会長の誕生でこのバランスが崩れることも予想される。

 ともあれ、会長選は終わった。新型コロナの脅威が依然立ちはだかる中、混乱は避けなければならない。「遺恨」を引きずる暇(いとま)はない。(坂井広志)

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