国内

3密なき「リモート選挙」…各陣営手探り 埼玉・新座市長選告示

 任期満了に伴う埼玉県新座市長選は28日告示され、届け出順に、再選を目指す無所属現職の並木傑氏(61)=自民、公明推薦=と、共産党新人で元市議の朝賀英義氏(70)が立候補し、前回と同じ顔ぶれでの一騎打ちとなった。

 並木氏は待機児童解消や土地区画整理事業に取り組んだ1期4年の実績を強調するとともに、新型コロナウイルス感染拡大への対応強化や防災・減災の推進、公共インフラの整備促進などを訴えている。

 朝賀氏は、感染拡大を受けた経済対策として水道基本料を4カ月間無料にするなどの「緊急プラン」を掲げる。与党が推薦する並木氏との対決構図を念頭に、安倍晋三政権の新型コロナ対応にも矛先を向ける。

 投開票は7月5日。選挙人名簿登録者数は6月27日時点で13万7361人。

 マスク姿の第一声、肘タッチで支持呼び掛け…

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の解除後、埼玉県内では初めての選挙となる新座市長選が28日、告示された。出馬した2氏は、選挙戦の要となる集会や有権者との握手が制限される中、手探りで舌戦をスタートさせた。

 「コロナ禍の中、厳しい選挙戦になる。ご支援よろしくお願いします!」

 無所属現職の並木傑氏は市内の幼稚園でマスク姿で第一声に臨み、こう声を張り上げた。

 応援に駆け付けた埼玉県朝霞市の富岡勝則市長は「携帯に入っている連絡先全てに電話をかけ、この『リモート選挙』を戦い抜こう」。後援会幹部も「マスク越し、電話越しで構わないので、1人でも多くの方に声をかけてほしい」と支持者らに促した。

 来賓の受け付け場所にはアルコール消毒液を置き、スタッフは全員がマスクを着用するなど、陣営は感染防止に力を入れた。

 一方、共産党新人の朝賀英義氏は東武志木駅前で出発式を行い「市民の命と暮らしを本気で考える市政を作ろう」と訴えた。演説後は、集まった有権者一人一人に歩み寄り、握手の代わりに「肘タッチ」を交わして支持を呼び掛けた。

 朝賀氏の陣営もスタッフ全員がマスクを着用し、3密(密閉、密集、密接)を避けるために動員人数は最小限に抑えた。演説時間も当初予定していた40分から30分に短縮した。

 異例の選挙戦に懸念材料は山積している。

 「集会の来賓の数を抑えたかったが、『来たい』という先方の申し出を断るわけにもいかず、結果的に『密』に近い状況が生まれてしまった」と話すのは、ある陣営幹部。別のベテラン市議は「これまで『有権者と握手した数だけが票に直結する』と信じてきた。握手が禁止ではどうにも戦いにくい」と漏らす。

 感染防止策に頭を悩ませているのは市選挙管理委員会も同じだ。

 筆記用具の使いまわしによる感染を防ぐため、有権者に鉛筆の持参を呼び掛けているほか、使い捨ての鉛筆も準備した。また、過去の選挙での時間帯別の投票者数を市ホームページに掲載し、混雑しない時間帯に投票所に足を運ぶよう求める。

 市選管の担当者は「選挙は『不要不急』ではない。安心して投票に来てもらうため、あらゆる場面での感染対策に努めていく」と語った。(竹之内秀介)

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