海外情勢

石炭火力、コロナで対応が二分 気候変動の戦いの鍵を握る「アジア」 (2/2ページ)

 英調査会社ウッドマッケンジーのアナリスト、フランク・ユー氏によると、「中国では経済成長と刺激策を最優先課題と位置付けており、石炭火力を国全体の電源構成の中心に据え続けることで、安い料金での電力供給を維持することが重視されている」と分析する。同氏は中国の石炭火力発電の設備容量が今後5年間で130ギガワット増加し、過去最大の1200ギガワットに達する可能性があると予測している。

 インドではモディ首相が5月、広範な景気対策の一環として石炭事業を強化する方針を発表。この中で、石炭輸送インフラへ60億ドル以上を投資するほか、50カ所の鉱区を競売にかける計画を示した。世界最大の石炭生産会社であるインド国営のコール・インディアは、電力需要が回復するとの政府見通しを受け、年間の石炭生産目標を7億1000万トンと18%引き上げた。

 アジアが未来左右

 国際エネルギー機関(IEA)の上級エネルギーアナリスト、カルロス・フェルナンデス・アルバレス氏によると、インドネシア、ベトナム、フィリピンなど東南アジア各国での動きも中期的に世界の石炭需要を押し上げる見込みだ。同氏は今年のアジアの石炭需要が新型コロナの影響で前年よりは減少する可能性が高いものの、それが新たな流れとして定着することはないと話した。

 石炭火力への各国の対応が二極化する中、コロナ後の世界の気候変動の戦いの鍵はアジアが握ることになりそうだ。ウッドマッケンジーのアナリスト、シャーリー・チャン氏は「石炭の未来はアジアにかかっている。しかし、現状ではアジアの需要は増加し続けており、今後10年で他の地域における需要の減少を相殺する」との見通しを示した。(ブルームバーグ Will Wade、Jeremy Hodges)

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