海外情勢

草分け的存在が倒産…年初来の破綻連鎖20社以上 「シェール革命」厳しい節目

 シェール開発の草分け的存在として知られる米チェサピーク・エナジーは6月28日、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)に基づく会社更生手続きをテキサス州南部地区の連邦破産裁判所に申請したと発表した。多額の債務を抱え、新型コロナウイルスの流行で原油需要が急減する前から経営状態は不安定だった。

 エネ革命厳しい節目

 新型コロナの感染拡大が招いた世界的なロックダウン(都市封鎖)によるエネルギー需要の急減を受けた企業破綻では最大級の規模となる。ただチェサピークは、エネルギー部門の破綻連鎖における最新の事例に過ぎない。

 ヘインズ・アンド・ブーン法律事務所の5月のリポートによると、2015年はじめ以降、北米の石油ガス生産者200社余りが破産手続きを行い、債務額は1300億ドル(約13兆9000億円)を超えるという。新型コロナ感染症(COVID19)のパンデミック(世界的大流行)の際の原油価格急落を受け、今年だけで少なく見積もっても20社以上が倒産した。

 4月にホワイティング・ペトロリアム、6月半ばにはエクストラクション・オイル・アンド・ガスなどシェール勢の破綻が相次ぎ、産業ルネサンス(再生)をもたらし、世界のエネルギー事情を大きく変えた米国の「シェール革命」は厳しい節目を迎えている。

 チェサピークの発表資料によると、同社は更生手続きを通じて負債を約70億ドル削減することで合意し、9億2500万ドルの事業再生融資(DIPファイナンス)を確保した。

 同社のダグ・ローラー最高経営責任者(CEO)は声明を発表し、「レガシー(負の遺産)だった財務面の脆弱(ぜいじゃく)性を解消し、実質的な事業の強みを生かすために、チェサピークの資本構造と事業を根本的にリセットしているところだ。200億ドル超の負債、金銭上の支払い義務を取り除いても、事業の長期的な成功、価値創造のために今回のリストラが必要だと確信している」と述べた。

 事業拡大で多額債務

 ローラーCEOが現職に就いた13年当時、チェサピークは、時価総額が同社の29倍相当だった国際石油メジャー、エクソン・モービルを上回る債務を抱えていたが、同CEOは設備投資の削減と資産売却で債務負担を補えると期待していた。昨年は米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、ダラス・カウボーイズのオーナーで富豪のジェリー・ジョーンズ氏と約10億ドル相当のシェール資産売却に向けて協議したものの、取引には至らなかった。

 チェサピークはシェール層からのガス採掘で成功を収めたが、同社や同業による活動が世界的な供給過剰と価格下落を招き、自らの成功の犠牲となった。新型コロナの感染が広がる数年前から、同社は積極的な事業拡大で抱え込んだ重い債務負担に苦しんでいた。

 同社をはじめとするシェール開発会社が主導した10年前のシェールブームは負債によって支えられていた。収益性や株主還元は常に期待外れで、今年の原油相場暴落以前に、投資家らはシェール部門へのさらなる投資に懸念を募らせていた。格付け会社フィッチレーティングスは6月11日のリポートで、エネルギー部門のハイイールド債のデフォルト(支払い不履行)率は11%と、17年4月以来で最高水準にあると指摘している。(ブルームバーグ David Wethe、Dawn McCarty)

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