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コロナ直撃11年ぶり低水準 6月日銀短観、大企業製造業の景況感マイナス34

 日本銀行が1日発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)は、大企業製造業の最近の景況感を示す業況判断指数(DI)が3月の前回調査から26ポイント下落のマイナス34となった。悪化は6四半期(1年6カ月)連続で、リーマン・ショックの影響が残る2009年6月調査(マイナス48)以来、11年ぶりの低水準となった。

 政府の緊急事態宣言は解除されたものの、新型コロナウイルスの影響で悪化した企業心理は回復に至っていない。大企業製造業では、基幹産業の自動車が55ポイント下落のマイナス72で最も低い数値となった。

 大企業非製造業は25ポイント下落のマイナス17で過去最大の下落幅となった。このうち宿泊・飲食サービスは32ポイント下落のマイナス91と過去最低を記録。国内外での外出自粛や移動制限の影響が強く反映された。巣ごもり消費が好調だった小売りは唯一、数値が改善した。

 企業収益の減収で全産業の資金繰り判断指数は10ポイント下落のプラス3で、1974年8月(10ポイント下落)以来、約46年ぶりの下落幅となり、企業の厳しい資金繰り状況も浮き彫りになった。

 3カ月後の景況感を示すDIは大企業製造業で7ポイント上昇のマイナス27、非製造業で3ポイント上昇のマイナス14とわずかに回復する見通し。一方、中小企業は製造業が2ポイント下落のマイナス47、非製造業は7ポイント下落のマイナス33で、さらに悪化すると見込んでいる。

 DIは業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を差し引いた値。約1万社を対象に四半期ごとに調査する。

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