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中印などリーマン上回る成長率低下へ

 国際通貨基金(IMF)は6月24日に世界経済見通しを改定し、各国で拡大する新型コロナウイルスの影響を加味して、2020年のアジア新興国の成長率を4月時点の1.0%からマイナス0.8%へ下方修正した。アジア各国について成長率の低下幅をみると、新興工業経済地域(NIEs)ではリーマン危機と比べて小幅となる。感染が早期に収束した国が多いほか、輸出の減少が懸念される一方で主力のハイテク産業でITサイクルの好転が追い風となっている。

 一方、東南アジア諸国連合(ASEAN)やインド、中国では、リーマン危機を上回る落ち込みが予想されている。外需を中心に需要が落ち込んだリーマン危機では、内需が堅調なインドやインドネシア、ベトナムなどで影響が小さかったが、今回は外出禁止令や営業自粛などにより個人消費も大きく減退し、幅広い国で落ち込みが見込まれる。

 今年後半のアジア新興国経済は、活動制限の緩和により持ち直すとみられる。ただし、インドやインドネシア、フィリピンなどは感染拡大が続くほか、感染が収束した国においても第2波が警戒されており、消費の持ち直しペースは緩やかとならざるをえない。中国の景気対策も、過剰債務問題を抱える中で、大規模インフラ投資を実施したリーマン危機後ほど効果は期待できない。09年は、先進国がマイナス成長に落ち込む中でもアジア新興国は8%近く成長したが、今年はアジア新興国に世界経済の下支え役を期待するのは難しい。(編集協力=日本政策投資銀行)

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