海外情勢

比大統領がコロナ対応苦戦 外交影響も

 フィリピンのドゥテルテ大統領は、就任から5年目に入った。新型コロナウイルスの感染拡大防止策に強権を発動したが、収束の気配はなく苦戦を強いられている。コロナ禍は外交・国防にも影響。米国との防衛協力縮小の方針をわずか4カ月で見直し、場当たり的な対応になっている。

 新型コロナ対策で、首都マニラでは3月中旬から5月末まで原則として外出を禁止し、公共交通機関を全て運休させた。各地に設けた検問所には警察を配備。ドゥテルテ氏は市民が指示に従わず抵抗した場合には射殺するよう警察や軍に命じ、実際に死者が出た。経済活動が停止し、失業率が17.7%に上昇するほどの痛みを伴う厳格な規制だったが、段階的に緩和させると感染者の増加ペースは加速。好転の兆しは見られず、経済立て直しと感染抑制の両立が残り任期2年の課題だ。

 コロナ禍は外交も揺さぶった。フィリピン政府は2月、同国内で活動する米兵の法的地位を定めた「訪問軍地位協定」の破棄を一方的に米側に通告した。8月に失効し、長年の同盟関係が決裂しかねない状況だったが、6月に突然方針を転換し、破棄を先送りした。

 ドゥテルテ氏は翻意の理由を明言していないが、外相や国防相はコロナが影響したと言及。政府高官も「米国は治療薬やワクチンの開発で主導権を握る可能性が高く、背を向ける時期ではないとの判断だ」と明かす。

 6月の東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議で、ドゥテルテ氏は「(米中)超大国はわれわれを自陣営に引き込もうとし続けるだろう。一番得をする方法で関与するべきだ」と発言し、今後も打算的な外交姿勢を取る意向を鮮明にした。(マニラ 共同)

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