海外情勢

米大統領選でバイデン氏が経済政策に焦点 党内左派抑え「穏健路線」

 11月の米大統領選で民主党の候補指名を確実にしているバイデン前大統領が、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴うリセッション(景気後退)を受け、大統領選に向けた焦点を経済に絞る意向を固めた。関係者が明らかにした。

 民主党内の左派が求める野心的な提案を脇に置き、製造業活性化や技術革新の奨励など米経済復活に向けた穏健な政策を軸に据えるという。

 経済は現職のトランプ大統領が今も支持率でバイデン氏をわずかながら上回っている政策分野だ。関係者によると、バイデン氏は経済政策の概要で4つの分野をカバーしている。(1)米国製品の購入と米国内の雇用促進(2)クリーンエネルギー(3)保育・高齢者介護従事者や家事労働者などに「思いやりある」経済(4)人種的平等-だ。

 9日のペンシルベニア州での演説に続き、8月17日から始まる民主党全国大会に向けて詳細な政策提案を示していく。

 副大統領時代の同氏の経済顧問を務め、現在は陣営のアドバイザーとなっているジャレッド・バーンスタイン氏は「バイデン氏は左派の多くが到達したいと思っているのと同じ場所にたどり着きたいが、そこに行くには漸進的な道筋が必要であり、自身が数十年に及ぶ政治経験で知った政治的現実を飛び越すことはできないと確信している」と語った。

 穏健路線によって、バイデン氏は左派が求める大きな計画は採用しなくても同派の支持を維持しつつ、トランプ政権に疲れた共和党支持者や無党派層を引き付けることを狙う。

 ただ、大統領選に勝利したとしても、バイデン氏はパンデミック前とは全く異なる経済に足を踏み入れることになる。

 米経済政策研究所(EPI)のシニアエコノミスト、ハイディ・シェルホルツ氏は「バイデン氏が大統領になれば、この信じられないほど弱い経済に直面することになる」と指摘。オバマ前政権で労働省のチーフエコノミストを務めた同氏は「新型コロナがどうなっていようと、ワクチンやマスク着用が普及していようがいまいが、深刻な不況が待っている」と語った。(ブルームバーグ Jennifer Epstein)

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