海外情勢

米銀利益、金融危機後最悪か 4~6月期決算発表

 米国の大手銀行が前回、1~3月期(第1四半期)決算を発表した当時は、新型コロナウイルス感染拡大が本格化してから数週間に過ぎなかった。しかし、今週始まる4~6月期(第2四半期)決算発表では、新型コロナに振り回された3カ月が業界に何をもたらしたかが明らかになる。

 貸倒引当金の急増と個人消費の低迷という前回決算で見られたトレンドは、さらに悪化したことが示される見込みだ。トレーディングの堅調で、幾分か痛みが和らいだ銀行もあるだろう。

 エドワード・ジョーンズのアナリスト、カイル・サンダース氏はインタビューで、「パンデミック(世界的大流行)の影響は3カ月分そっくり、数字に表れてくる」と述べ、4~6月期業績は恐らく金融危機以降で最悪だろうと付け加えた。「第1四半期も厳しかったが、悪影響が反映されているのは3月の数週間だけだ」と指摘した。

 失業者の急増で債務返済が滞る人が増え、銀行は貸倒引当金の積み増しを迫られた。新たに借り入れるのが難しいことも金利収入の重しとなった。外出自粛でショッピング街では客足が途絶えた結果、クレジットカード手数料など銀行にとって重要な収入源も圧迫されたと考えられる。

 ブルームバーグがまとめた予想によると、4大米銀の4~6月期利益の合計は10年余りで最少となる。

 大半の銀行は1~3月期以上に引当金を積んだとみられる。業界全体の貸倒引当金は金融危機以降で最高水準に達するだろうと、バークレイズのアナリストらは見積もっている。

 一方で、多くの銀行にとって、トレーディングと引き受けが明るいスポットとなったとアナリストらは予想。大手5行を合わせた株式と債券のトレーディング収入は、前年同期比で31%増えたと見込まれている。 企業が流動性の確保に動く中、社債の発行も活発化した。ブルームバーグがまとめたデータによれば、4~6月期に発行された投資適格級の米社債は、前年同期の2倍余りに増え7577億ドル(約80兆9000億円)、高利回り債は61%増の1301億ドルに達した。

 また、歴史的な低金利が借り換え需要を生み、住宅ローン事業も堅調だったとみられる。米抵当銀行協会(MBA)によれば、4~6月期の借り換え手続きは前年同期の2倍近くとなった。

 銀行業界の今後は、経済活動の再開が続くか新型コロナ感染拡大で再び閉鎖に追い込まれるかに左右されるが、この危機による利益への打撃は一時的なもので、資本基盤を揺るがすようなものではないとロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)はみている。リポートで、「慎重ながら楽観している。景気は年末に向けて勢いを増し続ける」と予想した。(ブルームバーグ Payne Lubbers)

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