海外情勢

米強硬、香港優遇を撤廃 民主派弾圧の中国当局者も制裁

 トランプ米大統領は14日、香港への優遇措置を撤廃する大統領令に署名したと発表した。また、香港民主派弾圧の責任を負う中国当局者に制裁を科す法律に署名したことも明らかにした。中国はこれに反発し、強力な対抗措置を講じるとともに米当局者らに制裁を科す方針を表明した。

 本土と同等の扱い

 トランプ大統領はホワイトハウスのローズガーデンで、「歴代の政権でこれほど中国に厳しい姿勢で臨んでいる政権はなかった」と述べた。

 中国外務省は15日、米国に「不正を改め」、香港への介入をやめるよう要求する声明を発表。「米国がこうした行動を続ければ、中国は断固として対抗措置を講じる」とし、「中国の正当な利益を守るため、われわれは必要な措置を取り、関連する米国の個人と団体に制裁を科す」と警告した。詳細は示さなかった。

 トランプ大統領の署名で成立した法律は香港国家安全維持法(国安法)制定に関与した中国当局者と取引を行う銀行に制裁を科すほか、国務省に香港の「一国二制度」を形骸化しようとする当局者に関する報告を毎年行うよう義務付ける内容。さらに、こうした当局者の米国への入国阻止や、資産を接収する権限を大統領に付与する。

 銀行は1年間の「猶予期間」が与えられ、その間に国務省が香港の自治侵害の「主違反者」と認定する組織や個人と取引を打ち切るよう求められる。

 トランプ大統領は香港への優遇措置を撤廃する大統領令について、これにより香港は中国本土と同等に扱われるようになると話した。ホワイトハウスは、香港のパスポート保有者の特別待遇はなくなるほか、米国からの輸出をめぐり香港の優遇措置も廃止されるとした。

 ただ、香港の金融業界など特定の主要セクターにどのような影響を及ぼすかについては大統領、ホワイトハウスのいずれからも具体的な説明はなかった。新たな法律で制裁対象となる可能性のある中国当局者も示されなかった。

 習氏と話す予定なし

 中国による国安法制定や第1段階貿易合意の履行、新型コロナウイルス感染拡大への対応をめぐり米中関係が緊張する中、米国は中国への圧力を強めている。

 トランプ大統領はこのほか、11月の大統領選の民主党候補指名を確実にしているバイデン前副大統領もやり玉に挙げた。前政権でバイデン氏が中国となれ合いの関係にあったと主張するとともに、気候変動対策や刑事司法、移民政策などの問題でも同氏を批判した。

 さらにトランプ大統領は、中国の習近平国家主席と話す予定はないとも語った。中国を批判する際でも、習主席については尊敬や親愛の念をにじませてきたこれまでのパターンとの違いがうかがわれた。(ブルームバーグ Jordan Fabian)

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